喫煙はニコチン異常症という病気
喫煙が冠動脈疾患や脳卒中の危険因子であることは、数多くの研究で報告されています。
研究では、喫煙者が非喫煙者と比べて脳卒中で死亡する危険性がどれくらい高くなるかを調べています。
それによると、男性では毎日20本以内で1.6倍、21本以上で2.17倍高くなるといいます。
また、脳梗塞について見てみると、それぞれ2.97倍、3.26倍と報告されています。
女性でも男性と同様に、脳卒中死亡は20本以内では1.42倍、21本以上では3.91倍で、脳梗塞では、それぞれ1.75倍、2.31倍でした。
冠動脈疾患死亡については、男性では、非喫煙者に対して1日20本以内の喫煙者は1.56倍、21本以上の喫煙者では4.25倍で、女性ではデータがありません。
わが国の成人男性の喫煙率は、どの年齢層においても減少傾向にあり、ピーク時の昭和41年の83.7%に対し平成21年には38.9%と半数以下となりました。
30歳代は喫煙率が高く46.9%ですが、どの年齢層をとっても一貫して減少傾向にありますが、諸外国と比べるとまだ高い水準です。
女性では、諸外国と比べると低いものの、平成21年の成人女性喫煙率は11.9%、30歳代が最も高く16.8%で、全体では、近年はほぼ横ばいですが、20歳代と30歳代では喫煙率の上昇が見られます。
また、禁煙した女性では、閉経が非喫煙女性と喫煙女性の中間となることもわかっています。
米国の疫学調査では、閉経が早くなることは心血管疾患の危険因子であり、喫煙者のみにその関係がみられることが報告されています。
喫煙が女性の閉経を早めるということは、女性がエストロゲンに守られている期間を短くしてしまうということです。
タバコの煙が抗エストロゲン作用、つまりエストロゲンのもつ良いはたらきを打ち消してしまう作用があるとも報告されています。
こうした調査結果を見ると、改めて禁煙の重要性がわかります。
女性では、禁煙に際して直面するうつ症状、体重増加の心配、月経周期との関係など、禁煙を妨げる要因が少なくないようです。
そのため、「タバコをやめられないのは意志が弱いからだ」と考える傾向もあるようですが、喫煙は「ニコチン依存症」という病気であって、意志の力で治せるものではありません。
心がけ次第で取り除くことができる危険因子の一つとはいうものの、治療の必要な病気なのです。
最近は、経口の禁煙補助薬バレニクリンが登場し、禁煙の成功率は高くなっており、禁煙治療を受け、禁煙をすることが大切です。
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