コレステロールが気になる
HDLコレステロールの数値が基準値よりも低い場合は、どのような注意が必要ですか?
HDLコレステロールは善玉、LDLコレステロールは悪玉といわれます。
これは、LDLコレステロールが血管壁にたまって動脈硬化を促進するのに対して、HDLコレステロールは、血液中の余分なコレステロールを回収して、動脈硬化を防ぐはたらきがあるからです。
そのため、HDLコレステロールは、LDLコレステロールや中性脂肪とは逆に、数値が低い場合に問題になります。
一般にHDLコレステロール値が基準値よりも低い場合の原因としては、運動不足や肥満、喫煙、糖尿病などが考えられます。
女性では、女性ホルモンのエストロゲンのはたらきによってHDLコレステロール値が高い傾向にありますが、閉経後は女性ホルモンの分泌が低下するため、HDLコレステロール値も低くなります。
そのため、閉経後の女性は動脈硬化を発症する危険性が高くなります。
動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳梗塞などの命にかかわる病気を引き起こす危険性が高くなるので、低HDLコレステロール血症に対する注意が必要です。
健診でコレステロール値が高いと言われ、卵は食べないほうがいいですか?
鶏卵はコレステロールが多く含まれる食品の一つで、1個におよそ200mgのコレステロールが含まれています。
脂質異常症の治療では、1日のコレステロール摂取量を300mg以下に抑えることが目標とされています。
もし卵を食べれば、1個だけで1日分の大半を摂取してしまうことになります。
そのため、コレステロールが気になって、「卵は食べないはうがよい」と思っている人が少なくないようですが、卵は良質のタンパク質源です。
コレステロールが多いからといって、完全に排除する必要はなく、週に3〜4個なら、コレステロールをとりすぎる心配はありません。
とりすぎに気をつけて、栄養バランスのよい食事を心がけるようにします。
以前、総コレステロール値が基準値よりも高いと問題だと言われましたが、今は問題にならないのですか?
以前の「高脂血症」の中には、HDLコレステロール値が低すぎる低HDLコレステロール血症も含まれていました。
しかし、高脂血症という名称では、問題となる低HDLコレステロール血症が忘れられがちです。
また、総コレステロール値だけに注目すると、何が総コレステロール値を高くしているのか、その原因になかなか目が向きません。
HDLコレステロール値が高いために総コレステロール値が高いという人もたくさんいます。
総コレステロール値が、脂質の異常を正しく反映していない場合があるのです。
そこで、2007年の診断基準改定に伴い、高脂血症は「脂質異常症」へと名称が改められ、総コレステロール値という検査項目はなくなりました。
総コレステロール値が高いかどうかではなく、LDLコレステロールや中性脂肪の数値が高い場合や、HDLコレステロール値が低い場合が問題になるのです。
ホルモン補充療法を行えば、コレステロール値が低下して、動脈硬化による病気も防げるのでしょうか?
女性ホルモンは、脂質の代謝にも深くかかわっているので、ホルモン補充療法を行うと、コレステロールの数値も下がってくることがあります。
しかし、ホルモン補充療法が動脈硬化を抑えて、心筋梗塞や脳梗塞などを予防するのに有効かどうかは不明で、それを確認するために米国で行われた調査では、むしろホルモン補充療法を行った人に動脈硬化による病気や乳がんなどの増加を示す傾向がみられ、この調査は中止されました。
現在では、動脈硬化疾患の予防目的でホルモン補充療法を行うべきではないとされています。
日本でも、ホルモン補充療法は更年期障害などの治療目的で行われ、動脈硬化による病気の予防目的では行われていません。
更年期前なら、脂質異常症の心配はありませんか?
女性の場合、閉経を迎える頃までは、脂質異常症はあまり見られず、女性ホルモンのエストロゲンのおかげで、LDLコレステロールや中性脂肪、HDLコレステロールの値が安定しているからです。
しかし最近は、更年期前の女性のコレステロール値が上昇する傾向にあり、食事が肉類など動物性脂肪中心になったことや、運動不足や喫煙の影響も考えられます。
この傾向が続けば、更年期前の女性でも、脂質異常症が増えてくる可能性が考えられ、その意味で、更年期前だからと油断しないで、食生活や運動習慣などを見直し、タバコを吸っている人は、直ちに禁煙することが大切です。
このほか、更年期前でも脂質異常症であるとわかった場合は、甲状腺機能の異常や家族性高コレステロール血症などが考えられます。
コレステロール値を下げる薬を服用していれば、食事制限は必要ありませんか?
脂質異常症の治療は食事療法と運動療法が基本で、それだけで脂質のコントロールが難しい場合は、薬物療法を行います。
最近は、コレステロール値を下げる作用が強力で、副作用の少ない薬がたくさん開発されたので、以前に比べてコレステロール値を下げることが容易になりました。
しかし、薬を飲んでいれば、何でも好きな物を好きなだけ食べてよいというわけではありません。
薬を飲み始めても、食事療法は続ける必要があります。
また、最近の薬は副作用が少ないとはいうものの、長い間服用を続けるものなので、定期的に担当医を受診し、副作用の有無をチェックすることが大切です。
脂質異常症と診断されて、アルコールを控えめにするようにと言われましたが、アルコールとはどういう関係があるのですか?
アルコールにはコレステロールや脂肪が含まれていません。
それなのに、なぜ脂質異常症の場合、アルコールを減らす必要があるのかというと、体に入ったアルコールは、中性脂肪の合成を促したり分解を抑えたりするからです。
また、アルコールは高カロリーなので、とりすぎると肥満やメタポリックシンドロームから動脈硬化を引き起こすおそれがあります。
こうしたことから、脂質異常症では、アルコールを減らすように勧められるのです。
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