脳梗塞の男女差
脳梗塞は、ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性塞栓症、その他の脳梗塞に分類されます。
ラクナ梗塞は、脳の深部の細い血管が詰まることによって起こります。
日本人に多く、脳梗塞の約半数を占め、原因としては高血圧が最も重要で、そのほか糖尿病も挙げられます。
脳をCTやMRI検査で調べてみると、ラクナ梗塞は直径1.5cm以下の小さい病変で、無症候性脳梗塞といって、症状が出ないことも少なくありません。
アテローム血栓性脳梗塞は、首から脳に通じる頚動脈や頭蓋内の比較的太い動脈のアテローム硬化が原因となって起こる梗塞です。
欧米人に多いタイプですが、日本人にも増えています。アテロームができると血管が狭くなり、そこに血栓ができて詰まったり、その血栓がはがれて流れ出し、その先で詰まったりするために起こるタイプの梗塞です。
心原性塞栓症は、心臓あるいは頸動脈などの太い血管でできた血栓(血のかたまり)が、ある日突然、血液の流れに乗って脳に運ばれ、脳の血管を詰まらせてしまうものです。
男女の脳梗塞の発症比率は、疫学研究から男性のはうが女性の1.5倍程度高いと報告されています。
研究では、1961年を第1集団とし、以後1974年に第2集団、1988年に第3集団、2002年に第4集団がつくられ、時代的変遷を観察しています。
1961年に脳卒中の実態調査として始まり、40歳以上で脳卒中の既往のない1621例を32年間(1961〜1993年)追跡した報告があります。
この研究によれば、脳梗塞を発症したのは298例で、ラクナ梗塞が167例、アテローム血栓性脳梗塞が62例、心原性塞栓症が56例、病型不明が13例で、ラクナ梗塞が圧倒的多数を占めました。
また、男性の発症率は女性の約2倍でした。
脳梗塞の危険因子としては、男性では心臓の左室肥大、耐糖能異常、飲酒、喫煙、女性では心電図に見るST波下降、総コレステロール高値、肥満が挙げられています。
脳卒中の発症率、死亡率は、高血圧をコントロールするための生活習慣の改善、治療効果の高い薬の登場などにより、男女とも著しく減少しています。
また、65歳以上の脳梗塞の病型を見ると、男性では近年、ラクナ梗塞が減少してアテローム血栓性脳梗塞が増え、心原性塞栓症も増加傾向にあります。
かつての日本人型脳梗塞から、欧米型に変わりつつあることを示しています。
一方、女性では、依然としてラクナ梗塞の占める割合が高く、時代的な変化があまり見られません。
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