コレステロール予防の薬物療法
LDLコレステロール値が高い場合、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」では、一次予防においては安易な薬物療法は行うべきではなく、個人のリスクを正しく評価し、絶対的リスクが高い患者を対象とした薬物療法を行うべきであると記載されています。
特に、低リスク群や若年者、閉経前女性などは絶対リスクが低く、たとえ管理目標値に達していなくても生活習慣改善のみで経過を観察できる可能性があるとしています。
「女性の心血管疾患のリスク分類」では、患者さんの持つリスクを低リスク、中リスク、高リスクに分け、それぞれのリスクに応じたLDLコレステロール値によって薬物療法を開始します。
その際は、リスクファクターが0〜1ならば、LDLコレステロール値190mg/dlまで薬物療法は不要です。
ただし、糖尿病に合併する脂質異常症については、複数の大規模試験により、スタチンの虚血性心疾患予防における有効性と安全性が報告されています。
スタチンは、脂質異常症の薬物療法で最も広く使われている薬です。
肝臓でのコレステロールの合成を抑え、LDLコレステロール値を下げることから、動脈硬化性疾患の発症を予防する効果があるといわれています。
スタチンを使った14の無作為試験を再解析した結果、年齢、性別、LDLコレステロール値、心血管疾患の既往の有無などにかかわらず、スタチンがT型を含む糖尿病患者の心筋梗塞や冠動脈疾患死などのリスクを有意に減少させていました。
その結果、すべての糖尿病患者にスタチン治療を考慮すべきであると報告されています。
HDLコレステロールは、女性のはうが男性よりいずれの年齢においても高値を示しますが、女性では60歳以降急速に低下します。
HDLコレステロール値が同等の場合には、男性よりも女性のほうが動脈硬化性疾患のリスクが高くなることがわかっています。
このことは、女性では、低HDLコレステロールがいかに重要な危険因子であるかを示したものです。
米国の「女性のための心血管疾患予防ガイドライン」では、女性の場合、HDLコレステロール値が低く、それ以外のコレステロール値が高いときには、ナイアシン、フィブラートを使った治療を開始するとされています。
中性脂肪値は、女性では40歳頃から上昇し、70歳頃には男女差がなくなります。
秋田県、高知県、茨城県、大阪府の4地域の住民男女40〜69歳までの約1万1000人(男4452人、女6616人)を対象として、血清脂質と虚血性心疾患の関連を男女別に調べた研究があります。
それを見ると、非空腹時の中性脂肪値が高いと、虚血性心疾患を発症する危険性も高いことがわかります。
これは男女ともにいえることで、特に食後3〜7時間の中性脂肪値が高い場合にその関係が強いということです。
中性脂肪値が高いと指摘されたら、日常的にお酒を飲んでいる人はお酒を控え、甘いものの好きな人は糖分を控え、カロリーの摂取量を適正にして体重をコントロールする努力をします。
こうした食事制限を1〜3カ月継続しても数値が下がらない場合、フィブラート、EPAなどでの治療が始まります。
500mg/dl以上の高中性脂肪血症の治療では、動脈硬化性疾患に加えて急性膵炎の予防も目標にします。
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