加齢黄斑変性とは
加齢によって、網膜の中心部である黄斑に障害が生じ、視野の中心部がぼやけたり、黒ずんだり、ものが歪み、見ようとするところが見えにくくなる病気です。
50歳代半ばから発症し、日本では60〜70歳代の男性に多くみられます。
欧米では、成人の失明原因の第1位といわれるほど患者も多い病気ですが、日本人には珍しい病気と考えられていました。
しかし、高齢化社会となり、さらに生活の欧米化や目の健康を害する環境の変化などによって、患者数は増え続け、現在では、失明原因の第4位となっています。
失明に至るほどの恐ろしい病気ですが、いくつかの治療法が新たに開発され、早く見つければある程度の視力が維持できるようになってきました。
網膜は、神経上皮と網膜色素上皮という組織によってできていますが、加齢とともに網膜色素上皮が老化すると、古くなった細胞がカスのようになつて色素上皮の細胞内に溜まります。
また、網膜の下には毛細血管が張り巡らされた脈絡膜という組織があり、網膜に酸素や栄養を補給したり老廃物を回収したりする役割を果たしています。
この古くなった細胞のカスを吸収するため、脈絡綱には従来の毛細血管に加えて、新生血管が発生しますが、この血管はもろくて弱小のですぐに破れて出血してしまいます。
そうすると、網膜内ににじみ出た血液や新生血管からもれた血液が溜まり、網膜を押し上げるようになってしまいます。
この変化によって、ものを見る働きが妨げられ、視野の中心部がぼやけたり、黒く見えたり、ものが歪んで見えるなど、さまざまな症状が現れてくるのです。
新生血管が破れて出血を繰り返すうちに、視力は著しく下がっていき、そのまま放置しておくと失明する可能性もあります。
黄斑症の治療の目的は、放っておくと出血を繰り返す新生血管を閉塞することにあります。
ただし、新生血管を完全に閉塞できないと、さらに血管が増殖して見えない部分が広がってしまう危険性もありますから治療の前には精密検査を受け、新生血管が伸びている範囲を正確に把握する必要があります。
そのうえで適切な治療法を決めなくてはいけません。
治療の中でもっとも効果が高いとされているのはレーザー治療です。
これは光凝固療法といって、網膜にレトザーを当てて患部を固める方法で、とても簡単で、外来で受けることもできるのですが、すべての患者さんに行なえるわけではありません。
症状の程度によっては逆にレーザー光線で網膜を痛めてしまう危険性もあるからです。
最近は、血管の増殖を抑える薬を硝子体内に注射する方法が最も効果があり、多く行われていますが、いずれにしても病巣が小さい間の早期発見が大切です。
レーシック手術をすることなく、
視力を回復させる方法があります
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