便をやわらかくするマグネシウム
人の細胞内イオンという部分にあるミネラルのうち、マグネシウムは2番目に多く含まれており、生命を維持する酸素反応補因子(体に必要な補酵素的なはたらきをするミネラル)として、300以上もの働きを担っている重要な成分です。
明治期にはすでに酸化マグネシウムが薬剤として輸入されたという記録が残っており、日本では100年以上も前から使われている薬剤でもあります。
当初は胃薬(制酸剤)として利用されていた酸化マグネシウムですが、1回に1000mg以上服用すると下痢になることがわかっていました。
酸化マグネシウムが外から腸管内に入ると、その一部(40〜60%)は、腸管内に吸収されずに残ってしまいます。
これが高浸透圧物質として作用し、腸からの水分の吸収を阻害するため、水分が腸管外へ流れ出して下痢を招きます。
現在では酸化マグネシウムのこうした作用が、便秘の人の硬い便をやわらかくするために活用されることがあります。
ただし、腎障害などで腎機能が低下しているケースでは、マグネシウムの排泄がうまくいかず、血中のマグネシウム濃度が上昇することもあります。
そうした場合でも、年2〜3回程度、血中マグネシウム濃度や血中クレアチニン値(腎機能)などをチェックし、マグネシウム濃度が上昇しないことを確認しておけば心配ありません。
このようにマグネシウムは、副作用も少なく安全に使える薬として、現在もかなり多く使用されています。
マグネシウムが多く含まれている食材として、にがりや岩塩、硬質のミネラル・ウオーター(たとえばコントレックスなど)などがよく知られています。
また、昆布やホウレンソウ、ひじき、玄米、納豆、かき、かつお、ごま、さつまいも、落花生などにも多く含まれています。
ただし、重度の便秘の場合は、食材だけでは必要な量のマグネシウムを摂取するのは難しいので、薬剤としてとるのが効果的です。
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