腸は人体最大の免疫器官
腸内環境とは、腸内にいる細菌の状態をいいます。
人体の腸の長さは約8.5～9mで、広げたときの面積はテニスコート一面分にも相当します。
この腸内部のひだの中に、約100種類、計100兆個もの細菌が存在するといわれています。
腸内細菌の主なものは、善玉菌（乳酸菌やビフィズス菌など） と悪玉菌（ウエルシュ菌）、日和見菌（善玉にも悪玉にも属さない菌） の3つで、これらの腸内細菌が腸内の環境を保っているのです。
これら3種類の菌の割合は、一般に善玉菌20％、悪玉菌10％、日和見菌70％が、バランスのとれた状態とされています。
日和菌は、状況に応じて善玉菌に加勢したり、悪玉菌の方に傾いたりします。
腸内細菌は腸内環境を保つだけでなく、腸内免疫系にも作用することがわかってきました。
免疫とは、人体にダメージを与える物質から生体を守る仕組みのことで、人間の体に備わる免疫機能は、病気の原因となるような細菌やウイルスなどが体内に入ると、自己防衛のために抗体をつくります。
その重要な役割を担うのがリンパ球なのですが、そのうち60％以上が腸管に集中しており、抗体の60％が腸管でつくられているといわれています。
そのため、腸管（小腸から直腸までの管状の器官）は、人体最大の免疫器官だとされるのです。
ですので、腸内環境の悪化は免疫力の低下を招き、病気の原因にもなりかねません。
だからこそ、腸内環境を健康に保つことが重要なのです。
腸管免疫系の大きな特徴は、①危険な病原細菌やウイルスを排除する、②食品や腸内細菌などの安全なものに対しては寛容で、これらは排除しない、という2点です。
この2つのはたらきが健全であれば、腸内の免疫系は健康的に維持されるのです。
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