便秘とメタポリック・シンドローム
メタポリック・シンドロームや肥満だからといって、必ずしも便秘になるとはかぎりません。
逆に便秘の人は、肥満かというと、そうともかぎりません。
しかし、肥満、とくに力工ル腹(ガスなどでふくらんだ腹)の人は便秘、あるいは腹部膨満感になりやすいといわれてきました。
漢方の世界には肥満や便秘によいとされる防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)という薬が約800年も前から存在しています。
この防風通聖散は、腹部膨満感や便秘がちで体型的に肥満、太鼓腹の人によく処方されます。
おなかの出っ張った肥満の女性には、便秘の人が多いように思われますが、その明確な因果関係は不明です。
重要なのは、極度の便秘や肥満は、大腸がんのリスク・ファクターになり得るということです。
肥満、下腹部の脂肪貯留は大腸がん発症のリスク・ファクターに含まれています。
メタポリック・シンドロームと大腸がんは大いに関連があります。
肥満はメタポリック・シンドロームの一要素で、肥満と脂質代謝異常との関連性は、以前から指摘されており、特にインスリン抵抗性がもたらす影響が示唆されています。
また最近では、肥満や運動不足、食事(特に北∃−ロッパ、北米、アメリカなどの肉食、乳製品を多くとる食事のスタイル)とがんの相関性を示す疫学的研究も多数発表され、そのメカニズムが注目されています。
インスリンとインスリン様増殖因子(IGF1)の上昇が大腸がんのリスクを上昇させる可能性を示唆しています。
また、糖代謝をつかさどるインスリンは、インスリン抵抗性が高まり血糖値が上昇するのと対照的にその分泌量が増加することになり、その結果、インスリンの血中濃度が高まります。
動物実験ではありますが、高インスリン血症やIGF1が大腸がん発症の決定因子であることが確認されています。
インスリン血中濃度やIGF1値の上昇が、大腸がんの危険因子になり得ることは、疫学的調査に基づいた多数の研究結果からも明らかにされています。
IGF1は強力な増殖因子であり、がん細胞においては、インスリンとIGF1やインスリンの増殖作用をもたらしている可能性があるのです。
つまり代償性の高インスリン血症やIGF1の上昇が大腸がんのリスクを上昇させるという考え方は、インスリンやIGF1の作用に関する現在の考え方と一致しており、それは動物実験で確認されています。
ヒトに関するデータでも、疫学的研究で、多数の危険因子が提示されており、特に高インスリン血症が大腸がんにかかわる重要な因子であることが示唆されているのです。
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