薄毛や抜け毛になる病気とは
出産後の薄毛は時間が経てば解消する場合がほとんどですから、あまり神経質になる必要はないかもしれませんが、それ以外の原因で10代〜30代の若い女性が薄毛になることがあります。
これは、薄毛・抜け毛の背後に、病気が潜んでいる恐れがある可能性があります。
これを見分ける簡単な方法は、抜け毛の毛根側の先端をチェックしてみることです。
通常、毛髪は、成長期(5〜7年)、退行期(約1カ月)、休止期(約3カ月)、脱毛というヘアサイクルを繰り返しています。
ヒトの髪の毛は約10万本あり、休止期の状態にある毛髪は約10%と考えられています。
3カ月で10万本の10%(=1万本)が抜けるということは、1日あたり約110本が自然に抜ける、という計算になり、これが1日100本くらいは抜けても大丈夫といわれる根拠です。
心配いらない自然な抜け毛か、問題のある悪い抜け毛かは、抜けた髪をチェックしてみればわかります。
ブラッシングやシャンプーの際に抜けた髪の毛や、枕やタオルについた髪の毛を何本か取ってみて、その形状をよく観察してみます。
虫メガネを使えば、簡単に見ることができます。
自然な抜け毛とは、正しいヘアサイクルを経て抜けた毛髪のことで、毛根にある毛球が完全に角化し、白い球状になっています。
毛根がふっくらとしていて梶棒のような形をしていることから、「根毛」と呼ばれます。
抜け毛のほとんどが根毛であれば、自然に抜けた毛髪ですから、問題ありません。
抜け毛が根毛ではなく、しかも1日100本以上生じるようなら、「脱毛症」という病気が疑われます。
@男性型脱毛症
毛包(=毛髪を生み出す、毛穴より下にある組織)がなくなってしまうのではなくて、成長期が短縮して休止期が長くなった結果、軟毛になる現象で、すなわち毛包のミニチュア化現象です。
成長期の長さが、毛の長さや太さを決めます。
毛包のミニチュア化が著しい場合は、毛髪が皮膚表面に出現しなくなることもあります。
休止期毛は容易に抜けるので、洗髪時やブラッシングをしたときの脱毛の増加で気づきます。
遺伝的素因が大きいといわれています。
A円形脱毛症
毛髪の成長期に活動が停止する脱毛症で、さまざまなタイプがあります。
円形脱毛症の原因の約20〜40%は、急激な不安や精神的ショック、うつ病や不安神経症などが関係しているといわれています。
・単発型
いわゆる10円ハゲと呼ばれるもので、孤立しているもの
・多発型
10円ハゲが複数ある、またはそれらがくっついて地図状になっているもの
円形脱毛症の83%がこの2つの型で、そのうち50%が20歳未満で発症し、特に15歳以下が25%を占めるといわれています。
このほかには、次のようなタイプもあります。
・全頭脱毛症
頭髪のほとんどが脱毛する
・汎発性脱毛症
頭髪、体毛が全身的に脱毛する
・蛇行状脱毛症
後ろと横の生え際が帯状に脱毛する
蛇行状脱毛症は治りにくいタイプといわれていますが、他の脱毛の症状は原因から解放されれば、6〜12カ月でまた髪の毛が生えてきます。
B薬剤性脱毛症
すべての薬剤は、大なり小なり脱毛症を生じうるといわれており、薬剤性脱毛には、成長期脱毛と休止期脱毛があり、ほとんどが頭皮に対しての炎症はなく、びまん性脱毛(全体的に薄くなる)になります。
・成長期脱毛
抗ガン剤によるものが多い
細胞分裂の活発な毛母細胞が障害を受け、頭皮をつかんだり、ブラッシングしたりした際に、大量に脱毛します。
薬剤投与中止後、髪の毛の長さが満足できる程度になるまでに、6カ月から12カ月ぐらいかかります。
・休止期脱毛
毛髪の10〜15%が休止期毛で、一見して脱毛と感じない場合が多い
薬剤投与して数カ月後に、毛髪を数十本まとめて軽く引っ張ったときに、毎回3〜4本抜けた場合は、薬剤性休止期脱毛と考えられます。
健康を取り戻し、薬をやめることにより発毛は回復します。
またビタミンAを過剰に服用した際や、発毛剤、育毛剤として使用されているミノキシジルの使用開始時と中止時などにも成長期脱毛が見られます。
C内分泌異常に伴う脱毛症
内分泌異常に伴う脱毛症には、次のようなものがあります。
・下垂体機能低下症
出産後の疾病や卵胞ホルモン、黄体ホルモンの分泌低下
・甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌が低下して、休止期毛が非常に多くなり、脱毛する
・甲状腺機能元進症
軽度の脱毛で、毛髪が細くやわらかくなるびまん性脱毛
・副甲状腺機能低下症
毛髪が乾燥して薄くなる
いずれの症状も専門医による治療を受けることで回復します。
D外傷性脱毛
頭皮を強く圧迫した際や、髪を強く引きつめたヘアスタイル、トリコチロマニアなどによる脱毛が外傷性脱毛です。
寝ている赤ちゃんの後頭部が薄くなるのも、これです。
頭皮の圧迫はマッサージ等で血流をよくすること、引きつめたヘアスタイルによる脱毛は、ヘアスタイルを変えることにより、ある程度回避できます。
トリコチロマニアとは、自分自身の髪の毛を抜く癖のことで、精神的ストレスが引き金になることが多く、精神的ストレスをため込まないように、ライフスタイルを工夫することで改善が期待されます。
赤ちゃんの場合は、座ったりハイハイしたりするようになれば自然に治ります。
E代謝障害や栄養障害に伴う脱毛症
亜鉛の欠乏、鉄欠乏性貧血、過度のダイエットによる脱毛症で、女性に多い貧血やダイエット、疾患に伴うものは、専門医に相談をして適切な治療を受ける必要があります。
バランスのよい食事を摂ることにより回復します。
F薬剤性以外の休止期脱毛症
出産後の脱毛、高熱、ストレス、外科的ショックによる脱毛症で、妊娠中はホルモンの影響で、成長期が延長していると考えられています。
出産後、ホルモンの状態が妊娠前に戻っていくことに加え、母乳刺激ホルモンにより毛髪の成長が抑えられるため、出産後2〜3カ月ごろよりびまん性の脱毛が生じます。
しかし6カ月くらいで脱毛は回復します。
高熱、ストレス、外科的ショックによるものは、原因となる症状が回復すれば脱毛も回復します。
G炎症性脱毛症
脱毛の一番の原因は、炎症によるもので、接触性皮膚炎によるものと脂漏性皮膚炎によるものがあります。
接触性皮膚炎は、パーマ・カラーリング液、シャンプー、コンディショナー、頭皮・毛髪用のケア剤などのヘアケア剤を頭皮に塗布することで、引き起こされることがあります。
特にパーマとヘアカラーは刺激の強い製剤を使用しますので、パッチテストをするなどして気をつけまます。
また、毎日行うシャンプーは頭皮に残ると刺激になりますので、特によく洗い流します。
コンディショナーやヘアケア製品は、頭皮にはなるべくつけないようにします。
脂漏性皮膚炎は、頭皮の皮脂の分泌が異常になる皮膚炎です。軽い場合はフケ症で、放置しておくとひこう性脱毛をきたしますので、皮膚科での治療が必要な場合があります。
H感染性脱毛症
頭部白癬、細菌感染よる頭部慢性膿皮症、梅毒、ハンセン病などが挙げられます。
白癬とはカビの一種で、フケもこの種に属し、白癬や細菌に感染しても、軽いかゆみ程度の症状なら、頭皮を清潔にすることで改善されます。
梅毒は治療することで改善されます。
ハンセン病の場合は、全頭脱毛の改善は難しいです。
梅毒もハンセン病も病原体の感染によるものなので、早急に専門医に相談する必要があります。
I療痕脱毛症
やけど、大量の放射線、帯状癌疹などが原因となる脱毛症で、毛穴や毛根が破壊されており、脱毛部分には髪が生えてこない場合がほとんどです。
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