パーマとカラーリングの仕組み

パーマとカラーリングの仕組み

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パーマとカラーリングの仕組み

おしゃれのためにパーマやカラーリングをするのは当たり前で、髪がいたみそうということは、誰でもわかります。

しかし、これらが一体どういうメカニズムで可能になっているのかは知られていません。

パーマとは、毛髪を溶剤で無理やり変形させる行為です。

カラーリングにはいくつか方法がありますが、色落ちが最も少なく長持ちする「ヘアカラー」は、毛髪の奥まで化学変化を起こさせて染料を定着させる行為です。

どちらもアルカリ性、酸性の溶剤を使うため、頭皮や毛髪には大きなダメージを残すのです。

パーマのメカニズムについて、毛髪の内部は、コルテックス(毛皮質)と呼ばれ、タンパク賃が線維状になったケラチンの束からなっています。

この線椎を結合させているのが、システイン結合と呼ばれるアミノ酸の結びつきで、ある程度の強度や柔軟性を保持しています。

パーマ液は、そのシステイン結合を壊し、意図的に修復することで、髪にウエーブを作ったり、ストレートにしたりするのです。

パーマによって髪を矯正する際は、最初に毛髪の内部のシステイン結合を切断する必要があり、その後、システイン結合をずらして再び結合させることで、毛髪の形状を変えています。

パーマは1液と2液を使って行い、1液は、アルカリ性の溶剤で、チオグリコール酸アンモニウム塩チオグリコール酸ナトリウムなどが含まれています。

これを髪に塗りつけ、ロッドなどで髪を曲げた状態にして、システイン結合を切断します。

2液は、酸性の溶剤で、臭素酸ナトリウムなどを含んでいます。

これを髪に塗りつけ、1液で切断したシステイン結合を、ねじれた状態で再び結合させ、この結果、髪はウエーブがかかった状態で固定されるというわけです。

ストレートパーマも要領は同じで、曲がった状態の髪をまっすぐに固定した状態でシステイン結合を復活させます。

パーマ溶剤は毛髪の奥まで浸透して重要なアミノ酸の結合を壊し、無理やりつなげる行為で、アルカリ性かた酸性と対極にある刺激を与えることで、髪を矯正しているのです。

カラーリングも同じで、用いる溶剤によって、永久染毛剤、半永久染毛剤、一時染毛剤の3つがありますが、特に永久染毛剤はパーマと同様、毛髪に強いダメージを与えます。

ヘアカラー(白髪染めも含む)と呼ばれる染色剤で、色落ちがなく、色持ちが1〜2カ月くらいと最も長いものです。



永久染毛剤による染色では、パーマのように1液と2液を使います。

1液は、ジアミン酸系酸化染料という種類で、アルカリ性で、毛髪の奥まで浸透し、化学変化によって染料を定着させます。

2液は酸性の過酸化水素で、毛髪の色素を薄くする作用があります。

これらの溶剤は、毛の表面(キューティクル)や内部へ浸透し、タンパク賃の結合力を著しく弱めるのです。

半永久染毛剤(ヘアマニキュア、カラーリンスなど)には、酸性染料が用いられており、溶剤が毛髪の表面付近に浸透して髪のタンパク質と結合し、色が定着します。

これはキューティクルをコートする効果もあるため、髪にツヤと潤いを与え、髪へのダメージもあまりありません。

一時染毛剤には、白髪を部分的に黒くするときに使うマスカラタイプやスプレータイプがありますが、こちらは顔料を髪の表面に付着させるだけなので、安全性は高く、髪へのダメージはほとんどありません。

最も安全性が高いのは一時染毛剤ですが、汗や雨でもすぐに色落ちしてしまうという難点があるため、それをきらって永久染毛剤を使っている人が多いのです。

頻繁に髪を染める手間を省くことが、髪に深刻なダメージを与えることと引き換えであることを認識する必要があります。

永久染毛剤の溶剤は、非常に強いアレルギー反応を引き起こしうることもあるのです。

永久染毛剤の商品には注意書きで「毎回パッチテストを行ってください」と書かれています。

特にアレルギー反応が出やすいのは、パラフェニレンジアミンという酸化染料で、カラーリングや白髪染めに含まれており、ある日突然、症状が現れることがあります。

よくある症状は、頭皮がぴりぴりといたむ、かぶれる、赤くなる、といった程度の接触性皮膚炎と、呼吸困難やめまい、吐き気、目のいたみ、咳、意識喪失など、アナフィラキシー(急性のショック症状)が出るアレルギー反応があります。

頭皮がいたんでフケやかゆみが出たどころではないのです。

パラフェニレンジアミンは、髪を黒くする溶剤で、ナチュラルな白髪染めとして人気が高いへナなどに含まれていることがまれにあります。

ブラック・ヘナの使用後に、アナフィラキシーで死亡した例もあるくらいです。

カラーリング商品を選ぶときは、配合成分をよく確認する必要があります。

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