口呼吸は虫歯や歯周病を招く

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口呼吸は虫歯や歯周病を招く

悪い噛み合わせは、呼吸にも関係します。

正常な人間は鼻で呼吸し、鼻はフィルターの役目をしており、ほこりや病原菌、ウイルスがのどの粘膜や呼吸器に侵入するのを防いでいます。

鼻の粘膜(鼻腔粘膜)は温かく、湿度も十分にあり、一方、ウイルスは温度が低く、空気が乾燥していると活発になります。

冬にインフルエンザが流行するのはこのためです。

しかし、鼻腔粘膜はウイルスにとって快適な環境ではないから、ここで排除されやすいのです。

結核菌などの病原菌も同様で、鼻呼吸ができる人は、寝ているときも鼻で呼吸しているから、このフィルター機能が働いています。

しかし、噛み合わせの悪い人の中には、口を開けて寝ているために、口呼吸になってしまう人がいて、口呼吸をしていると、口の中が乾燥します。

もともと睡眠中は唾液が出にくいのですが、口呼吸がともなうと、口の中が渇いてきますから、唾液による自浄作用が働かなくなります。

唾液には殺菌作用があり、虫歯菌や歯周病菌の増殖を防ぐ働きがあります。

つまり、口呼吸の人は虫歯や歯周病になりやすいのです。

鼻のフィルターを通さず、口に直接、病原菌やウイルスが侵入してきます。

のどの奥の粘膜には、扁桃腺というリンパ組織があり、扁桃腺は病原菌やウイルスと戦い、のどから先に侵入するのを防ぐ働きがあります。



戦いの最前線にいる分、扁桃腺は病原菌やウイルスに感染しやすいという性格も併せもっています。

風邪をひくと扁桃腺が腫れるのはこのためです。

扁桃腺でも退治できなかった病原菌やウイルスは、気管や消化管を通じて、全身的な疾患をまねく可能性があります。

しかし、鼻呼吸であれば、病原菌やウイルスを鼻腔粘膜である程度まで撃退できるので、のどへの感染を未然に防げるのです。

また口呼吸の人に多い病気に、睡眠時無呼吸症候群があり、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気で、大きなイビキをともなうのが特徴です。

それによって、睡眠の質が低下し、日中、強い眠気や頭痛、倦怠感などが現れます。

また高血圧になりやすいので、脳卒中や心臓病のリスクも高まります。

口呼吸の人が仰向けに寝ると、舌根が気道をふさいでしまうので、呼吸ができなくなります。

いったん呼吸が止まりますが、それでは息苦しいので、姿勢をかえるなどして、再び呼吸を再開します。

しかし、また仰向けになると、再び気道がふさがれてしまうのです。

噛み合わせなどが睡眠時無呼吸症候群の原因になっている場合は、歯科ではマウスピースを使った治療を行い、それだけで、治ってしまう人もいます。

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