舌で病気がわかる
舌は味を感じるセンサーですが、病気の診断にも欠かせません。
東洋医学では「舌診」という診察法が古代から確立していて、漢方薬を処方するために活用されてきました。
東洋医学の舌診は、舌質と舌苔に分けて観察します。
舌質は、色調や萎縮、亀裂などを診ます。
舌苔は乾燥しているか湿り気があるか、苔が厚いか薄いか、白いか黄色かなどを診ます。
これによって、体質やそのときの体調を診断することができます。
舌苔の中には口臭の原因になっているものもあり、タバコを吸っている人の舌苔は、色も黒っぼく、口臭がきつくなりやすいのです。
舌は脳の働きとも関係しており、よく噛むことで脳の働きがよくなり、舌にも同じようなことがいえます。
舌を正しく使っていないと、脳に刺激が与えられなくなってしまうのです。
舌癖症候群という病気があり、子供が食事のときに、食べ物がうまく飲み込めなかったり、噛むときに舌が歯より前に出てしまう場合、舌癖症候群の前触れの可能性があります。
本来、舌の正しい位置は上顎にくっついており、このとき、歯には舌は触れていません。
これに対し、舌癖のある子供は、舌そのものの位置が下がり、上と下の歯を噛み合わせたあたりを前に押し付けたり、横に押し付けたりします。
つねに舌を歯に押し付けているため、成長するにしたがって、歯並びに影響を与えます。
とくに歯を前に押し付ける癖があると、上下の歯を噛み合わせたとき、歯が噛み合わず、すき間ができてしまうのです。
それによって、言葉がうまくしやべれなくなることすらあります。
若者に、舌足らずのしゃべり方が目立つことがあり、舌癖で上下の前歯にすき間ができていると、そこから舌が飛び出るので、サ行や夕行の発音がうまくできず、舌足らずになってしまいます。
サ行や夕行は、舌が上の前歯の根元の裏側につかないと正しく発音できないからです。
舌癖症候群は舌の筋肉バランスの崩れが原因で、舌のもっている物理的な機能には、咀嚼、嚥下、言葉の発音の三つあるが、最近の子供たちは、やわらかい食べ物が増えたことで咀嚼回数が減少しています。
それによって、舌の筋肉もあまり使われなくなり、さらに舌を積極的に使わないでいると、発音にも影響を与えます。
舌足らずな言葉とともに、抑揚のない不明瞭な音でボソボソとしゃべる若者が多く、これらの背景にも舌の機能低下があると考えられます。
ものを食べたり、会話をすることによる舌の刺激は、脳の神経ネットワークの活性化にも欠かせません。
咀嚼をした場合としない場合とで脳波を測定した実験があり、咀嚼しないときは脳波の間隔が広くて間延びしているが、咀嚼すると間隔が狭くなるという結果が出ています。
これは咀嚼したときのほうが、より多くの刺激が脳に伝達されていることを示しています。
よく噛むことは、同時に舌も活発に動かし、舌をより多く正しく使うことは、脳の活性化にもつながるのです。
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