飲み込む力も衰える原因とは
歯から始まって、よく噛んで唾液を出すための顎、食べ物を味わうための舌、これらが、一体となって、美味しく食べることができます。
また病気の予防や健康維持のためにも、これらが重要なのです。
さらに、食べるためには飲み込まなくてはならず、この力もまた年をとると落ちてくるのです。
最近、増えている病気の一つに逆流性食道炎があります。
逆流性食道炎とは、胃液や胃の中にある未消化の食べ物が食道に逆流する病気で、胃酸は強い酸性なので、逆流すると食道が炎症を起こし、胸やけや胸の痛みなどの症状が現れます。
胃液は分泌しすぎると、自分の胃壁をも溶かしてしまうほどの強酸性で、胃潰瘍は出すぎた胃酸によって起こります。
胃酸が正常に分泌されていれば、胃の粘膜を傷つけることはありません。
しかし、食道は胃液に対する抵抗力がなく、そこで、食道が胃液で傷つけられないように、胃液が食道に逆流しないしくみが備わっています。
食道と胃のつなぎ目(噴門部)には、下部食道括約筋という筋肉があり、食べ物を飲み込むときには、その筋肉がゆるみ、食道から胃に食べ物が落ちます。
それ以外のときは、この筋肉が閉まり、胃の内容物が逆流しないようになっています。
さらに、食道のぜん動運動によって、万が一、胃の内容物が逆流しても、すばやく胃に戻すしくみがあります。
また唾液には胃液を薄めて流す働きがあるので、これによって食道の炎症を防ぐことができます。
しかし年をとると、下部食道括約筋の働きがだんだん低下してきて、食道のぜん動運動も動きが悪くなり、唾液の分泌量も減るので、逆流した胃液を胃に戻すことができなくなってしまうのです。
もちろん、逆流性食道炎の原因は老化だけではなく、脂肪の多い食事をとると胃酸が出すぎて、それが逆流することで起こることもあります。
いずれにしても、年をとると食道のぜん動運動も、食道から胃に食べ物を送り込む力が落ちてきて、飲み込む力が落ちてくるのです。
気管支への誤嚥もまた、加齢による飲み込む力の衰えで、本来、食道を通って胃の中に入らなければならないものが誤って気管に入ってしまうのが誤嚥です。
健康な人なら、気管に異物が入ると、とっさに防御反応が働き、咳などによって、異物を吐き出そうとしますが、年をとると、ものを飲み込む反応(嚥下反射)、誤って気管支に入ったものを吐こうとする反応(喉頭反射)、咳をする反応(咳そう反射)が低下するので、誤嚥を起こしやすくなるのです。
誤嚥で肺炎を起こすのが誤嚥性肺炎で、高齢者の主要な死亡原因の一つとなっています。
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