体の中の細菌の働きとは
人間の体には、およそ100兆個の細菌が棲んでいるといわれ、最も多く棲みついているのは腸です。
腸内細菌には、体によい働きをする菌と、悪影響を与える菌とが共棲していて、善玉菌、悪玉菌と呼ばれています。
代表的な善玉菌には、乳酸菌やビフィズス菌があります。
一方、悪玉菌で有名なのはウエルシュ菌で、腸内でさまざまな有毒物質を発生させるといわれています。
それぞれの細菌はナワバリを作りながら、棲み分けられています。
顕微鏡で腸内細菌の様子を観察すると、このナワバリ構成が草木が生い茂る叢のように見えることから腸内細菌叢、あるいは腸内フローラ(フローラはお花畑という意味)とも呼ばれます。
ただし、善玉菌と悪玉菌のナワバリ構成は、生まれてからずっと同じではなく、年齢とともに変化します。
生まれたばかりの赤ん坊の腸内は、ほとんどが善玉菌ですが、成長とともに悪玉菌が増えてきます。
個人差はありますが、40歳を過ぎると、悪玉菌のほうが優勢になってきます。
このため、便秘がちになるなど、腸の機能が衰えてくるのです。
さらに、腸の機能は便通だけではなく。最も重要なのは、腸の免疫機能にあり、免疫とは体内の異物を見つけて、排除するシステムのことです。
風邪のウイルスや結核菌などの病原菌を見つけ出して攻撃する働きがあります。
また、病気を引き起こす異物は、外からやってくるものだけではなく、がんは自分の細胞が変異して起こります。
人間の体の細胞のほとんどは、新しい細胞へと生まれかわります、その際、もとの細胞の中の遺伝子(DNA)にもとづいて、同じものが作られます。
ところが、細胞が生まれかわるときにも、ミスコピーができることがあり、こうしたミスコピーは、体の中では頻繁に起こっています。
しかし免疫にとっては、変異した細胞も異物で、ただちに見つけ出され、白血球の免疫細胞によって駆逐されます。
ところが、なかには免疫の監視の網の目をくぐりぬけて、変異した細胞が増殖する場合があります。
これが、がん細胞で、一般に、免疫機能が低下していると、変異細胞の増殖を許してしまうが、逆に免疫機能が高い人は、がんになりにくいといわれています。
この免疫機能の中心的な役割を果たしているのが腸で、腸には、免疫細胞の一つであるリンパ球が集中しています。
専門的には「腸管免疫」と呼ばれ、そして腸管免疫の働きを左右しているのが腸内細菌なのです。
腸に集中しているリンパ球は、ウイルスや変異細胞を排除するなど、現代人の病気から身を守ってくれる重要な免疫細胞です。
ところが、リンパ球の数は加齢とともに減少していく傾向にあり、これは加齢による腸内細菌バランスの変化と関係があると考えられます。
また精神的なストレスも、自律神経に影響を与えて、リンパ球を減らす要因となります。
自律神経は、自分の意思とは関係なく動いている内臓や血管の働きを調整しています。
交感神経と副交感神経があり、それぞれがバランスをとって働いています。
日中仕事をするときなど、体を活動的にするときに優位になるのが交感神経、夜休息するときに優位になるのが副交感神経です。
通常は交感神経と副交感神経が切り替わることによって、体のリズムが作られますが、悩みごとなどのストレスがあると、夜になっても交感神経から副交感神経に切り替わらなくなります。
交感神経優位の緊張した状態が持続するのです。
交感神経優位の状態が続くと、リンパ球の数が減ってきて、免疫力が低下してくるのです。
そのため、インフルエンザなどのウイルスにも感染しやすくなります。
また、がんにもなりやすくなるといわれています。
こうした免疫力の低下を防ぐためにも、腸内細菌を善玉菌優位にして、リンパ球を増やすようにすることは大切なのです。
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