歯周病は歯を失う
唾液には、虫歯を予防する働きがあり、唾液を分泌させるためには、よく噛まなければなりません。
しかし、噛まない食生活をしていると、唾液が十分に分泌されません。
現代の日本人はやわらかいものを好む傾向にあり、高度経済成長期あたりに、日本人の食生活が大きく変わったのではないかと考えられます。
歯が抜ける二大原因は虫歯と歯周病ですが、虫歯の患者数が減ることによって、歯科医院は歯周病の治療に力を入れるようになりました。
しかし、歯周病という病気は、一般的にはまだまだ、それほど深刻に考えられていないのです。
年をとれば歯は抜けるものと考えている人は、まず歯周病という病気への認識は低く、こういう人は、歯周病というのは、一種の成人病だと思っているようです。
重度の歯周病は、昔は歯槽膿漏と呼ばれていて、歯槽骨(歯を支える顎の骨)のあたりから膿が出てくることから名づけられたのですが、歯槽膿漏になると歯がグラグラしてくるので、抜くしかありません。
実際、昔は抜歯しか治療の選択肢がありませんでした。
しかし、歯周病を生活習慣病としてとらえれば、生活習慣を改めることで予防できるし、改善もできることになります。
それによって、80歳で20本の歯を残すことは十分可能だし、努力しだいでは、それ以上の歯を残すこともできるのです。
歯周病は歯肉炎と歯周炎に分かれます。
歯肉炎は歯ぐきが腫れたり、出血するといった自覚症状があり、また、口臭で歯肉炎に気づく人もいます。
その段階を過ぎると、炎症は歯周組織にまでおよんでいき、これが歯周炎で、歯槽骨が炎症を起こすと、膿がたまり、歯槽骨がだんだん溶けてきます(歯槽骨の吸収)。
この状態が歯槽膿漏で、それによって歯を支えておくことができなくなり、歯が抜け落ちるのです。
しかし歯槽骨には再生能力があるので、歯がグラグラした段階でも、抜かずに治すことは不可能ではありません。
かなり進行した歯周炎でも、歯垢や歯石の除去を徹底的に行えば、進行は止まります。
ところが歯槽骨が再生するよりも、歯肉の炎症が治るスピードのほうが早いため、そのままにしておくと、歯槽骨の溶けたところに、歯肉が入り込んできます。
それによって、歯槽骨の再生が阻まれてしまい、このため、歯周病が治っても、歯肉がもとの状態まで戻らず、歯が長くなったように見えたり、歯がしみたりすることもあります。
歯周炎になってからでは、治療がだんだんむずかしくなります。
しかし歯肉炎のうちに治療を受け、生活習慣を改めるようにすれば、現在では歯周病は決して怖い病気ではありません。
歯周病も細菌によって起こりますが、虫歯菌とは別の菌です。
プロフィロモナス・ジンジバリスなど10種類ほどの柵菌が歯周病の原因になるといわれており、歯周病菌と呼ばれます。
歯周病菌は、歯と歯ぐき(歯肉)の間の歯周ポケット(歯肉溝)に入り込み炎症を起こします。
それによって、歯周ポケットがだんだん深くなっていきます。
歯周ポケットが深くなると、歯周痛菌の棲みかである歯垢がたまりやすく、歯ブラシで簡単に除去することができなくなります。
さらに、歯周ポケットの底には酸素が十分に届かず、歯周病菌は嫌気性菌といって、酸素を嫌う性質をもっているので、より繁殖しやすくなり、歯周病が悪化していくのです。
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