眠っている筋肉を鍛えるとは
速筋、遅筋、いずれもその特性に合わせ、適度なトレーニングをしないといけないということですが、主なものだけで四〇〇もある筋肉それぞれの特性に合わせて負荷をかけていくのは相当にたいへんなことで、たいへんどころか、現実的ではありません。
とりあえず、「目立つ腹筋のたるみをなんとかしたい」でもいいですし、「足腰の筋肉の衰えに備えて」でもよく、各自の事情やテーマに合わせて筋トレをすればよいのですが、テーマといえばやはり脂肪の消費です。
筋トレの目的は、筋肉量の維持・増進によって、代謝の維持・増進を図ることです。
代謝の維持・増進は、健康の維持・増進にもつながります。
しかし、それにふさわしい筋肉は、速筋・遅筋という区別でほ収まりません。
とくにふだんあまり運動しない人は、筋肉はあっても使われずに「眠っている」ことが多いものです。
「眠っている」筋肉では、代謝という面でも目覚めておらず、低い状態です。
鍛えるという以前に、目覚めさせるという感覚が必要です。
運動不足の人に多い、眠っている状態の筋肉は、働いている筋肉に比べ、代謝が低くなっています。
この状態では、血液の循環を促進する筋肉のポンプ作用もあまり働かず、血液循環が悪いと考えられます。
すると栄養や酸素の供給がとどこおり、体温も下がるので、代謝量も下がってしまうのです。
そこで、筋肉を目覚めさせることから始めなければなりません。
筋肉は目覚めるステップを通過してはじめて、肥大していく過程へと移ります。
もし、脂肪の消費、あるいは代謝の向上を目的とするなら、効率のいいのは「コアマッスル」ということになります。
姿勢を維持するための筋肉もコアマッスルで、関節があるべき位置で、あるべき動きをするように支える筋肉も、体重を支えて姿勢を維持する筋肉も、コアマッスルといえます。
コアマッスルは、常に力を出しており、常に働いている筋肉です。
また、外からほ触れることのできない筋肉が多いことから、「インナーマッスル」といういい方をされることもあります。
コアマッスルは、立っているだけ、座っているだけでも使われる筋肉です。
しかも、直接は触れられないために意識しづらく、常に力を発揮するという役割に反して目覚めていない場合も多いのです。
このコアマッスルがしっかり働くと、安静時の代謝も増えるので、太りにくい体質になって脂肪も落ちやすくなります。
主なターゲットは、まず大腰筋で、大腰筋は背骨と大腿骨をつなぐ筋肉で、老化防止筋肉として、今、スポーツ医学や整体などで注目されています。
腸骨筋、脊柱起立筋、中骨筋などもコアマッスルといえ、いずれもコアという呼称にふさわしい働きをしている筋肉ばかりです。
コアマッスルがなぜ代謝に大きな影響を与えるかといえば、常に力を出しているという特性もありますが、サイズが大きいから、という面も見逃せません。
大きいからこそ、たくさんのエネルギーを必要としているのです。
体重に占める割合の大きな筋肉を集中的に鍛え、増量させること(そこまでいかなくても維持させること)は、代謝を上げるための効率という意味で、理に叶った方法です。
もうひとつ、代謝への影響が大きい筋肉として、加齢にともなって萎縮する、加齢の影響を受けやすい筋肉を鍛えるというのも重要です。
何もしなければ歳とともに萎縮する筋肉、萎縮しやすい筋肉を維持したい、増やせるなら増やそうという方法です。
とりあえず、太もも、お尻、お腹、背中の筋肉が該当します。
そう考えると、これらはみな、立ったり歩いたり、姿勢を維持したり、日常生活にとって大事な筋肉ばかりです。
しかも大きな筋肉ばかりで、大事な筋肉は加齢の影響を受けるということです。
人間として自立して生活していくには、これらの筋肉が萎縮すると影響が大きいのです。
平均寿命という言葉のほかに、健康寿命という言葉がありますが、健康寿命とは、日常生活を自立して元気に過ごせる期間のことです。
自立して過ごすためには、「自分の足で生活できる」ということが不可欠で、そういう意味でも筋肉を鍛えることの意義ほ大きいのです。
筋肉を鍛えずに、利便性だけを享受する生活ばかりを送っていたとしたら、日常生活の活動そのものが、スムーズにできなくなってしまうのですからたいへんです。
太ももの筋肉は、三〇歳から七〇歳代までの間に太さが半分になってしまいます。
三〇歳の時には足二本でやっていたことを、七〇歳になったら足一本でやらなくてほいけないということで、大げさではなく、そのくらい差があるわけです。
つまり、筋肉が落ちてくることで単に筋肉による熱生産が減り、基礎代謝が下がるというだけではなく、日常的な活動の低下に結びついてしまうのです。
高齢者がなんでもないところでつまずいたりするのも、背骨と両足の付け根を結ぶ筋肉(大腰筋)や、骨盤と足の付け根を結ぶ筋肉(腸骨筋)が落ちてしまったために起こることが多いのです。
また、筋肉が落ちることで活動が低下し、そのことによってさらにエネルギー消費が減るという悪循環もまねいてしまいます。
そこで、大腰筋などのコアマッスルと、太もも、お尻、お腹、背中の筋肉も鍛えるのです。
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