加齢とともに萎縮する筋肉
筋肉は、健康維持の観点でほ呼吸・循環器系に比べて軽視されがちです。
健康のための運動といえば、即座に、呼吸・循環機能を高める有酸素運動と、思い浮かべるのが、その証拠です。
たしかに有酸素運動は脂肪を効果的に燃焼させるだけではなく、長期間継続すれば、末梢の血管まで常に血液がいきわたるなど、血液と血管の状態を良好に保ってくれます。
たとえば、一日一万歩のウォーキング程度の有酸素運動をおこなうと、心筋梗塞のリスクが半減することが、多くの研究で明らかになっています。
有酸素運動をおこなうことは、ほかにもさまざまな理由で健康維持に貢献します。
一方で同じように大切でありながら、あまりスポットライトがあたってこなかったのが、筋肉トレーニングです。
しかし、ようやく、ここ一〇年ほどの間に、加齢に伴う筋・骨格系の機能低下という問題の深刻さは、多少は報じられるようになりました。
高齢者が転倒などによって致命的な障害を受けたり、自力で立ち上がれなくなったりするケースが増えてきているからです。
筋・骨格系の機能低下に起因する活動量の低下が、二次的に重大な疾病を引き起こす可能性も指摘されはじめています。
高齢者ほど、筋力を維持増進することが大切だと、ようやく見直されてきたといえます。
年齢を重ねるについて、すべての筋肉が一様に萎縮するというわけでほありません。
筋肉それぞれの機能的な違いで、萎縮の仕方は違うのです。
筋肉を機能的に分類すると、「伸筋」と「屈筋」に分けられますが、加齢に伴って著しく筋量が減少するのは、「伸筋」のほうです。
伸筋は、主に重力に逆らって体を支えたり、姿勢を維持したり、力強くジャンプをしたりするときに働く筋肉です。
対して屈筋は、重力に抵抗するというよりは、体を素早く折りたたんで防衛姿勢を取るような場合に働きます。
たとえば、「太ももの筋肉」といっても、前面の「大腿四頭筋」は「伸筋」であり、後面の「ハムストリングス」は「屈筋」です。
腕の筋肉でも上腕後面の「上腕三頭筋」は「伸筋」で、上腕前面の「上腕二頭筋」は「屈筋」です。
加齢に伴って著しく筋量が減少するのは、「伸筋」である「大腿四頭筋」や「上腕三頭筋」ということです。
伸筋は主に重力に逆らって体を支える「抗重力筋」ですから、重力がない環境ならまったく負荷がかからず、著しく萎縮します。
宇宙飛行士は、何十日間にもおよぶ無重力環境から開放されると、普通に歩けないはど筋肉が落ちていますが、これは伸筋の萎縮によるものです。
同様に、加齢によって活動が低下し、負荷が落ちることで萎縮するのほ主に伸筋です。
つまり、伸筋の機能を増強あるいは維持しょうとすることが、加齢による筋肉の萎縮に対抗するためには重要です。
もちろん、加齢に伴う全身的な活動低下が、伸筋の萎縮を助長しているのですから、全身の活動量を落とさないようにすることも大切です。
加齢にともなって萎縮する傾向の強い筋は、大腿四頭筋以外では、頸部の筋群、僧帽筋下部、広背筋、腹筋群、大腰筋、大骨筋などです。
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