代謝の高い体を作るには
アメリカの研究グループが、実際に実験としておこなった例では、一〇歳代後半の学生から三〇歳くらいの一般の人に、提示したメニューにしたがって三か月間の筋肉トレーニングをしてもらいました。
筋肉を増やすにほ、やはり三か月程度ほ必要になるのですが、三か月間、筋トレをやってもらった結果、例外なく、安静時代謝量が増えました。
平均すると七・五パーセント、少ない人でも三パーセント代謝量が増えたのです。
これはかなりの量です。
安静時代謝が七・五パーセント増えるということは、とくに運動をしなくても、一日あたり一〇〇キロカロリーから一五〇キロカロリー代謝量が増えるということです。
早足のウォーキングを約四五分間するのと、同等のエネルギー消費量です。
毎日欠かさずウォーキングを四五分間するのと、三か月間、筋トレをしてとくに運動をしない状態では、一日の代謝量は同じということです。
では筋トレをやった人が、さらに四五分間のウォーキングもすると、どうなるか。
三か月の筋トレによって、安静時代謝が上がった体でウォーキングをすれば、かなりの効果が見込めます。
無理なく三日に一度、四五分間のウォーキングを一年間続けたとすると、理論上はなんと体脂肪を四キログラム落とすことができます。
体重ではなく、体脂肪だけで四キログラム落とすことができるのです。
筋トレで筋肉を増やしたあとは、三日に一度ウォーキングするだけで、こんな成果が出るのです。
筋トレをせず、三日に一度、四五分間のウォーキングだと、その四分の一、つまり一キログラムしか体脂肪を減らすことができません。
これだけ大きな違いが出るのほ、安静時代謝の差なのです。
さらに安静時代謝の向上は、ウォーキングをしない日でも効いてきます。
これが実に大きく、三日に一度しかウォーキングをしなくても、毎日やっているのと同じ効果が見込めるのです。
これに、実際にウォーキングをする日が加算されるわけです。
しかし、三か月間の筋トレはつらい、という人も少なくありません。
確かにたいへんですが、体を壊さずに、つまり、筋肉を維持したまま脂肪を落とすには、筋トレは不可欠です。
三か月ほ無理でも、少なくとも一か月くらいはやらないと、効果は見込めません。
たとえば、「一〇日で五キロ痩せる」などというキャッチフレーズは無理なのです。
筋トレで代謝のよい体をつくったら、あとは有酸素運動、ウォーキングでも、軽いジョギングでも、水泳でも、もちろん構いません。
ジムでエアロバイクを使ってもいいですし、その辺はなんでもよく、筋トレで代謝が上がった体を維持しながら、そのうえで継続的に可能な有酸素運動に取り組むというのが、もっとも効率的なやり方なのです。
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