運動の順番が代謝を高くする
筋肉量が増えるまでには時間がかかるからと、あるいは効果が実感できるまでが長いからと、つらい筋トレを最初から諦めてしまう人ほ少なくありません。
しかし、もし、「筋トレ、即、代謝が上がる」としたら、筋トレを最初から諦める必要はないはずです。
即、代謝が上がるというのは、筋肉をよく動かすような運動をしたあと、つまり筋トレのあとは代謝の高い状態が続くという意味です。
もちろん、即、筋肉量が増えるということではありません。
ただ、筋トレなどをおこなって筋肉をよく動かしたあとは、筋肉量に関係なく、一時的に代謝が高い状態になり、それがしばらく続くのです。
なぜこうしたことがおこるのかというと、筋トレによって筋肉に負荷がかかり、その負荷によるストレスを修復しょうとする機能が体のなかで働くからです。
実験結果から確かめられている範囲では、少なくとも運動後六時間は、代謝のやや高い状態が続くことがわかっています。
アメリカの研究グループからほ四八時間続くという報告もあります。
まる二日間、代謝の高い状態が続くということになります。
しかも、その代謝の高い状態の間に脂肪の使われ方が上がることもわかりました。
普段なら糖と脂肪が使われる割合は五対五ですが、それが、四対六、あるいは三対七と脂肪が使われる率が明らかに高くなるのです。
その状態で有酸素運動をすれば、代謝が上がり、しかも、脂肪がエネルギー源として使われる率が高い状態で有酸素運動ができます。
脂肪を消費する効率がよくなることは明らかです。
たとえば一五〇キロカロリーの運動、普段なら、糖質と脂肪、それぞれ七五キロカロリーずつが消費されますが、筋トレをおこなったあとの有酸素運動では、糖質は六〇キロカロリーと低くなる一方で、脂肪は九〇キロカロリーも消費されることになるのです。
大切なのは、「順番」ということです。
まず筋トレをし、代謝の高い状態、脂肪が使われやすい状態をつくり、そのうえで軽いジョギングやウオーキングなどの有酸素運動をすると効果的だということです。
筋トレと有酸素運動の順番を間違えてほいけません。
順番を間違えると、脂肪の消費が上乗せになる、効果的な有酸素運動とはならないからです。
さらに、もうひとつ大切な理由があるのです。
最近の研究の成果なのですが、筋肉に負荷をかける、つまり、筋肉トレーニングをすると、筋肉からさまざま物質が出てくる、分泌されるということがわかってきました。
筋肉はエネルギーの一番の消費者であるだけではなく、内分泌器官としても働いているのです。
筋トレ後に分泌される物質ほ、おもしろいことに脂肪組織に働きかけ、その分解を促進するものもあることがわかってきました。
たとえば筋肉をよく動かすと、交感神経が活性化し、副腎からアドレナリンが分泌され、脂肪の分解を促進し、代謝を高めます。
筋トレ後に代謝が高くなる理由のひとつです。
筋肉運動を先におこなうほうが効果的である理由はここにもあります
ところで、こうした体の内分泌器官の働きは、メタポリックシンドロームの原因とも直接関わっています。
メタポリックシンドロームは、体に蓄積された余分な脂肪が原因です。
内臓脂肪はその量が多くなると、体脂肪自体が内分泌器官として働き、健康に書を及ぼすホルモンのような物質を分泌するのです。
最近の研究では、二○種類以上もそうした物質を分泌することがわかってきました。
そして、そのなかには、糖尿病、あるいは動脈硬化の直接の原因となる物質が含まれているのです。
一方、筋肉の場合は、動かすことで脂肪の分解を促進する物質を分泌するという、健康を保つためには貴重な役割を果たしてくれます。
つまり、筋肉トレーニングによって、筋肉をよく動かすと、筋肉が内分泌器官として働く一方、交感神経を介して、脂肪の「分解」を促進します。
その後の有酸素運動によって、分解された脂肪が「燃焼」されるのです。
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