禁煙の知識のルツボ

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肺がんというのは非常にポピュラーな病気で、今やがんのなかでも死亡率ワーストワンです。

三〇代、四〇代の人は、肺がんなんて、もっと年をとってからなる病気だと思うかもしれません。

しかし、肺がん以外にも、肺に関係する病気はいろいろとあり、日本人の死亡原因第四位の「肺炎」や、過去の病気と思われていたのに近年ジワジワと患者数が増加傾向にある「肺結核」、空気の通り道である気道の慢性的なアレルギー性炎症である「気管支喘息」、肺のスポンジの部分をおおう膜が破れて空気がもれ出てしまう「気胸」などあります。

咳が止まらない、痰がからむ、息が苦しい、胸が痛いなどの症状に肺や気管支が関係していることはとても多いし、肺の健康に問題があると風邪やインフルエンザにかかりやすく、さらに悪化しやすくなります。

そして、「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」という肺の病気が近年、日本のみならず世界中で増加しています。

WHO(世界保健機構)によると、現在、世界の死亡原因の第四位ですが、二〇二〇年には第三位になると予測されています。

日本でも死亡原因の第一〇位で、五〇〇万人以上の患者さんがいるといわれています。

これは、「肺の生活習慣病」ともいうべき病気で、長年の喫煙がおもな原因で、肺や気管支の組織が壊れてしまいます。

咳や痰が出て、最初は風邪かなと思うのですが、だんだん息切れがひどくなり、進行すると肺のなかのスポンジの部分が伸びきったゴムのようになってしまいます。



息は吸えるのですが吐けなくなるので、本当につらい苦しい病気なのです。

こうした病気にかからないためには、日ごろから肺の健康に十分気をつけて過ごすことが大切です。

たばこが肺の健康に悪影響を及ぼすということはもちろんですが、「禁煙したからもう大丈夫」と思っている人も注意が必要です。

そう単純ではなく、長年たばこを吸っていた人は、禁煙したからといってすぐに肺のダメージが回復するわけではないのです。

日常的にたばこを吸っている人、過去にたばこを吸っていた人はとくに、これ以上、肺の健康状態を悪化させない生活を送ることが必要です。

そのためにもまず、自分の肺の健康状態を知ることがとても重要になります。

その大きな目安となるのが「肺年齢」で、同じ年齢の人でも、見た目が若く見える人とそうでない人がいます。

人それぞれ外見に現れる老化のスピードや老化の状態に差があるように、肺などの臓器も人によって老化の現れ方が違うと考えられています。

肺にも「肺年齢」があって、それは人によって異なります。

肺の機能は加齢とともに低下するものなので、高齢者の肺年齢が若い人よりも高いのは当然です。

しかし、たとえば「まだ四〇代なのに肺年齢は六〇代」というように、肺年齢が実際の年齢よりかなり高いという人は、肺の健康状態がよくないと考えられ、COPDなどの病気が潜んでいる可能性があります。

もし咳や痰、息切れなどの自覚症状がなかったとしても、肺年齢を調べることで病気の早期発見につながるのです。

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