ニコチンパッチで禁煙する
禁煙が成功するかどうかは、つらい離脱症状をどうやって乗り越えるかにかかっており、離脱症状とは、たばこが吸いたい、イライラする、落ち着かない、頭痛がする、身体がだるい、すぐに眠たくなるなどの、いわゆる禁断症状のことです。
それまでどっぷりとニコチンづけになっていた身体から、禁煙によってニコチンが抜け出ていくために現れるものです。
離脱症状は、一般的に禁煙を始めてから二〜三日がピークになり、二〜三週間は続きますが、徐々に消失していきます。
このピークになるつらい時期をうまく乗り越えられれば、禁煙成功率はぐんと高まるのです。
つらい離脱症状を緩和しながら禁煙を成功に導く方法に「ニコチン置換療法」があります。
たばこの代わりにパッチやガムなどで、ニコチンを補給しながら禁煙する方法です。
ニコチンパッチは、たばこの代わりに皮膚に貼ったパッチからニコチンを少しずつ補充することにより、禁煙を困難にしている離脱症状を一時的に軽減する貼り薬です。
体内に浸透していくニコチンの量は、たばこを吸うことで得られる量より少なく、ニコチン切れによる離脱症状が現れない主になるよう調整されています。
一日一回一枚貼るだけでとにかく簡単だし、目立たないので周囲に気づかれずに禁煙できるというメリットがあります。
禁煙の時期に応じて、サイズ違いのニコチンパッチに替えていく方法が一般的です。
サイズによって含まれているニコチンの量が異なり、小さくなるにつれてニコチンの量が少しずつ減っていきます。
禁煙外来などで治療に使用するニコチンパッチは「30(大)」「20(中)」「10(小)」の三種類で、禁煙開始日から最初の四週間は「30」を貼り、そのあと二週間は「中」をさらにそのあと二週間は「小」を貼って、計八週間で終了します(一二週間まで延長可能)。
使用法は、一日一回1枚を24四時間、身体の一部に貼るだけでいいのでとても簡単です。
起床時や入浴後など、自分の生活サイクルに合わせて、貼り替えるタイミングを決めます。
貼る場所は、両腕上腕部や腹部、腰背部などが一般的ですが、人によってはニコチンの副作用でかゆみや湿疹などが出て、肌が荒れてしまうこともあります。
いつも同じところに貼るのではなく、少しずつ場所をずらして貼ったり、左右交代に貼ったりします。
身体の前面の皮膚よりも背面の皮膚のほうが硬いものです。
肺に近い場所に貼ったほうが効くような気がすると、胸に貼る人も多いのですが、女性の場合はとくに胸の肌は柔らかくて敏感だし、胸が開いた服を着るとパッチが見えてしまうこともあるので気をつけます。
二〇〇八年五月から、ニコチンパッチの一部が医師の処方なしで一般薬局でも購入できるようになりましたが、ニコチンの容量が最大のもの(「30(大)」)だけは処方箋が必要になります。
ここで気になるのは、このニコチンパッチによる禁煙を医師の指導のもとでおこなうべきなのか、自力でおこなってもいいのか、ということだと思います。
先ほど、一番容量が多いものだけは処方箋がなければ買えないといいましたが、これも市販のものを二枚同時に貼ればいいわけですから、どちらの方法でもおこなえます。
病院の禁煙外来で現在おこなわれている禁煙治療は、このニコチンパッチや飲み薬を使用する治療法が一般的です。
保険治療をおこなえる禁煙外来では、ニコチンパッチも一定の条件で保険適用になります。
その場合は市販の金額の三割で購入できますから、診察費用を含めても、むしろ安上がりになることもあります。
一概にはいえませんが、一日三〇本以上吸っているヘビースモーカーの人は、医師のもとでニコチンパッチを使用したはうがいいと思います。
費用のことを考えると、病院で保険適用でおこなうのが一番安いし、医師という伴走者がいることにはいろんなメリットがあります。
診察を受け、相談や報告をすることでモチベーションも上がりますし、「禁煙を破ると、医者に怒られるのがイヤだな」ということがいい意味でのプレッシャーになることも多いのです。
また、ニコチンパッチは、ニコチン自体に毒性があるので、一度に大量に貼ったら生命の危険にさらされるという怖い面もあります。
ただ、喫煙数が一日二〇本以下で、病院に行くのが面倒だったり、その時間がなかったりする人の場合は、「20(中)」からスタートできるので、自力でおこなってもいいかもしれません。
ただし、その場合も必ず、正しい使用法は守るようにします。
とくに、ニコチンパッチを使用している間は、決してたばこを吸わないことです。
もし、貼っているときにたばこを吸うと、過量のニコチンが摂取される可能性があり、頭痛やめまい、吐き気などの副作用が現れるおそれもあって危険です。
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