COPDの治療法とは
一度壊れた肺は完全に元に戻すことはできず、そうなると治療の目的は、病気の進行を遅らせるということと、息切れなどの症状をやわらげるということにしぼられてきます。
しかし、早い段階でCOPDと診断されて治療がおこなわれると、健康な人と遜色のないような生活を送ることができるので、早期発見、早期治療が大切です。
COPDは病気の進行具合によって、軽症から重症まで四期に分類されます。
進行するほど、いろんな治療法が加わってきます。
まず、治療の一番ベースになるのは「禁煙」と「インフルエンザワクチン」で、これは軽症でも重症でも常に必要です。
禁煙については、基本的にこれはニコチンという薬物中毒の治療ですから、いくら意志が強くても自分の力だけではなかなかうまくいきません。
医療機関の「禁煙外来」を受診すれば、治療に健康保険が使えるケースも多く、医師の指導を受けながら禁煙の薬を処方してもらうことができます。
また、たばこの本数を減らす「節煙」という段階をへて禁煙をしようという人もよく見かけますが、節煙するとかえって、一本一本のたばこが非常においしく感じられてしまい、逆に薬物中毒から抜けられなくなってしまうという報告もあります。
禁煙しようと決意したら、少しずつ吸う本数を減らすのではなく、思い切ってきっぱりとやめてしまうほうが効果があります。
COPDと診断された人は、禁煙に加えて必ず、インフルエンザのワクチンとできれば肺炎球菌ワクチンを受けるようにします。
肺炎球菌は風邪のなかでも重症化しやすく、五年に一回のワクチン投与で効果が望めます。
風邪やインフルエンザが引き金になってCOPDが急激に悪化し、命まで落としてしまうということもよくあります。
禁煙と二種類のワクチンの接種を受けたうえで、病気の進行具合によっては薬物治療も必要になってきます。
COPDの特効薬というのはありませんが、息切れなどの症状を軽くするには、気管支を広げる気管支拡張薬を使用します。
息切れがひどくなると、ますます身体を動かさなくなるので筋力が落ちるし、食欲も落ちるので痩せてさらに筋力が落ち、息苦しさが増してくるという悪循環に陥るということになってしまいます。
薬で息切れを軽くしてその悪循環を断ち切ることはとても大切になるのです。
気管支拡張薬には飲み薬や貼り薬がありますが、一般的には副作用が少なくて効果が高い吸入薬がよく使われます。
まだ症状が軽いうちは、息苦しくなったときだけこの気管支拡張薬を使いますが、症状が進んでくると、長時間作用する気管支拡張薬を常用するようになってきます。
さらに悪化をくり返すようになると、吸入ステロイドという薬を使って炎症を抑える治療をおこない、最重症期になって体内に酸素が足りなくなってくると、二四時間酸素ボンベが必要な酸素療法を受けることになります。
禁煙、ワクチン接種、薬物治療、酸素療法に加えて、もうひとつ必要な治療があります。
これは「呼吸リハビリテーション」と呼ばれるもので、効率のいい呼吸の方法を学ぶと同時に、トレーニングによって持久力や筋力を鍛えるというものです。
これは理学療法士のような専門スタッフがいる病院で受けることができます。
効率のいい呼吸をマスターして、呼吸に必要な筋力を鍛えることは、COPDの予防にもたいへん効果があります。
禁煙はまだするな!
楽天で禁煙する
Amazonで禁煙する |
|