たばこの心理的依存
たばこがやめられない理由には、身体的依存(ニコチン依存)に加えて、心理的依存があります。
心理的依存とは、たばこを吸ってきた長年の習慣やくせ、記憶などによってたばこを吸いたくなることです。
ニコチン依存についてはニコチンパッチやニコチンガム、禁煙薬などによってスムーズに乗り切れた人でも、禁煙が順調に進んで安心してきたころに、思わぬ落とし穴が待っていることがあるものです。
とくに吸いたいわけではないのに手持ちぶさたで何となくたばこに火をつけてしまったり、仕事や私生活でイライラしたときに無性に吸いたくなったり、などです。
喫煙年数が長い人ほど、この心理的依存は大きいものです。
たばこはストレス解消方法としてとても手軽なので、一度習慣になってしまうと、それ以外のストレス解消方法を実行しなくなってしまいがちで、そのために、少しのストレスでもたばこによって解消したくなるのです。
また、喫煙者は、たばこなしでは幸せを感じにくくなっているという説もあります。
たばこを常習的に吸うことで、脳波のなかのα波(リラックスしたり、心地よいと感じたりしたときに出る脳波)が低下しやすく、幸せを感じにくくなっているのです。
それを補うためにたばこを吸ってスッキリしたり集中力が増したりするような感覚が得られると、それが鮮明に頭のなかに焼きついて、あたかもすべてのストレスにたばこが効くという錯覚に陥ってしまうのです。
いったん禁煙に成功した人でも、仕事上や人間関係のストレス、気分の落ち込み、お酒の席などがきっかけで、喫煙を再開してしまうというケースはよくあります。
実際、禁煙した人の五〇〜七五%が一年以内に喫煙を再開してしまうというデータもあるほどです。
こうした心理的依存から抜け出すためにはまず、禁煙をスタートする時期がカギになります。
誕生日や結婚記念日など、自分にとって特別な意味のある日に始めるのもよいです。
そして、自分が禁煙を決意した理由や禁煙によるメリットをいつでもすぐに目にできる手帳に書き出すなどして、禁煙への意欲を高めることが重要です。
また、たばこをがまんできなくなったり、イライラして落ち着かなくなったりしたときの対処法をいくつか用意しておくことも大切です。
冷たい水やお茶を飲む、歯を磨く、深呼吸する、軽い運動をする、リラックスするツボを押す、禁煙日記をつける、マスクをつけるなど、とにかくその一時をやり過ごす方法を見つけます。
そして、たばこを吸いたいという衝動を抑えられたなら、その都度自分に自信をもつことです。
禁煙は長いマラソンのようなもので、伴走者がいるのといないのとでは、心理的な安心度に大きな違いがあります。
家族や友人、禁煙仲間に励ましてもらったり、禁煙外来のドクターに相談したりできると、成功率が高まります。
たばこが欲しくなるタイミングは、三日目、三週間、そして、喫煙の行為自体が懐かしくなる三カ月目です。
これまでにたばこを吸ってきた年月や一日に吸う本数などによっても、禁煙の効果を実感できるまでの期間にはかなりの個人差があります。
しかし、どんな人でも三日もすれば、身体に何らかの変化を実感できるようになるはずです。
実は、たばこをやめた一分後からもう、確実に変化は始まっているのです。
禁煙を始める前に、禁煙の効果が現れる時期や実際の効果について知っておくことは、モチベーションを上げるのにとても役立ちます。
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