たばこを吸う人は肺がんになりやすい
肺がんの原因がすべてたばこだというわけではありませんが、気管支の太いところにできる中心型肺がんは、たばこを吸っていない人はまずなりませんから、これはたばこと極めて関係が深いがんだといえます。
一般に、毎日たばこを吸う人は、まったく吸わない人に比べて、肺がんのリスクが約四・五倍になるといわれています。
たばこを吸う人ががんにかかる危険度を表すものに「ブリンクマン指数」というものがあり、これは「一日に吸うたばこの本数×年数」で表されます。
この数字が四〇〇を超えると危険ゾーンに入り、八〇〇を超えると極めて危険なゾーンに突入していることになります。
たとえば、一日二〇本のたばこを吸う人の場合、二〇年の喫煙歴でブリンクマン指数が四〇〇になりますから、二〇歳から吸いはじめた人は四〇歳で危険ゾーンに突入するわけです。
四〇〜四五歳くらいの年齢が真剣に禁煙するターニングポイントになりますが、肺がんになる危険度という点から考えたときにも、この年齢はとても重要になります。
禁煙して今はもうたばこを吸っていない人でも、ヘビースモーカーだった過去があり、このブリンクマン指数が危険ゾーンに入ってしまっている人は安心できません。
禁煙後五〜一〇年が経ってやっと、たばこを吸わない人と同じ程度のリスクにまで下がるのです。
また、自分がたばこをまったく吸わないからといって安心はできません。
夫などの、身近にいる人がたばこを吸っている場合は、その煙を受動的に吸うことで、自分で吸っている人と同じようにリスクが高まります。
それも、あまり喫煙とは関係がなく、、肺の深い部分にできる末梢型肺腺がんになりやすいのです。
副流煙が肺がんをはじめとする健康被害を招いているということは、社会全体でもますます注目されており、各方面でその対策に取り組んでいます。
二〇〇二年に「健康増進法」という法律ができて、たばこを吸うことがひとつの病気だと位置づけられるようになってからは、公共施設や交通機関での全面禁煙化が急速に進んでいます。
一般企業でも、イメージアップのためもあって、禁煙に取り組んでいる姿勢をアピールするところが増えてきました。
二〇〇七年の厚生労働省の調査では、何らかの禁煙対策に取り組んでいる事業所は七五・五%で、年々増加しています。
二〇〇八年には、タクシー協会が、タクシー全面禁煙の方向性を打ち出しました。
タクシーの運転手さんは、自分はたばこを吸わなかったとしても、毎日車内の狭い空間でお客さんにパンパン吸われたら、肺がんになつてもおかしくないのです。
実はたばこの煙に含まれる発がん物質の濃度は、喫煙によって直接吸い込む煙よりも副流煙のはうが高いことがわかっています。
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