階段で息切れを感じたら

階段で息切れを感じたら

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階段で息切れを感じたら

階段での息切れは年齢や運動不足のせいではなく、毎日吸っている、または過去に吸っていた、たばこが原因かもしれないのです。

そして、そのまま放置していると、徐々に呼吸ができなくなって死に至るかもしれないのです。

たばこが原因でなる病気というと、多くの人が肺がんなどのがんを思い浮かべるかもしれませんが、実はがん以上に、たばことの因果関係がはっきりしている病気があります。

それは、最近、深刻な健康問題として少しずつ話題に上るようになってきた「シーオーピーディー(COPD)」という病気です。

たばこを日常的に吸っている人は将来的になる可能性が極めて高いため、「肺の生活習慣病」や「たばこ病」ともいわれています。

また、その意外にも多い患者数から、新たな国民病としても注目を集めています。

<Aさんの事例>

ニ○歳からたばこを吸い始め、一日四〇本を三八年間吸い続けてきたというAさんですが、最初に不調に気づいたのは、まだ四四〜四五歳のころだったといいます。

当時、毎日忙しく過ごしていたAさんにとって、唯一の趣味であり、ストレス解消法はゴルフでした。

ちょうどそのころから急に、坂のあるコースを歩くのがつらくなってきたのです。

それほどたいした坂でもないのに上る途中はひどく息切れがして、坂を上りきったところでボールを打とうとしても、ハアハア、ゼイゼイするのが全然おさまらないのです。



たばこのせいだとはあまり思わず、四〇代になってめっきり体力が衰えてきたとショックを受けたといいます。

あわてて追いつこうと早足になると、すぐに息が切れてしまう。

COPDになって肺の機能が落ちていたのに、全然気づいていないのです。

三〇代のころはとても元気で、いつも同年代の友人たちよりも若く見られていました。

独身だったので、仕事が終わって徹夜で夜遊びし、朝から立ちっばなしで働いても平気なほど体力には自信があっただけに、急にどうしてしまったんだろうと不安になりました。

それからも息切れはどんどんひどくなり、風邪をひいたわけでもないのに、咳が止まらなくなったり、黄色い痰がからんだりするようになったAさんは、あんなに大好きだったゴルフからも次第に遠ざかり、そのぶんますます仕事にのめり込むようになったといいます。

それもあってストレスが高じて、いけないと思いながらもたばこの本数がさらに増えていました。

咳や痰に苦しめられるようになつてからは、さすがにたばこはよくないと思って何度も禁煙したものの、どうしても続きませんでした。

そんなAさんがかかりつけの病院の内科に相談したのは、夜中に突然、息ができなくなったことがきっかけでした。

二年はど前、夜中に突然呼吸が止まって、ものすごい苦しさで目を覚ましました。

深呼吸をくり返すうちに落ち着いてきましたが、これはただごとではないと思い、本当にこのまま死ぬのかもしれないと覚悟したのです。

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