ニコチンは依存性物質

ニコチンは依存性物質

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ニコチンは依存性物質

ニコチンは中枢神経系に働きかけ、少量では興奮作用、大量では鎮静作用を発揮します。

毒性が非常に強く、成人の致死量は約四〇ミリグラムで、これは、たばこ二〜三本に含まれる分量です。

喫煙では多量のニコチンを摂取することはありませんが、直接たばこを食べてしまうとたいへん危険です。

成人でも二〜三本が致死量になるということから考えると、乳幼児が一本でも誤飲してしまうと死亡するリスクもあります。

さて、ニコチンの1番大きな問題は、高い「依存性」を引き起こすということです。

ニコチンはたばこに含まれる唯一の依存性物質で、しかも、コカインやヘロインより依存性がはるかに高いという事実をよく理解しておく必要があります。

耐性も高く、長く吸っているうちに10本が20本、20本が40本というふうにどんどん増えていってしまうのも、そのせいなのです。

つまり、コカインやヘロインなどの麻薬と同じような性質のものなのですか、陶酔感や幻覚など、精神的に異常をきたすということがないので、麻薬ではなく、いわゆる毒物・劇薬というところに仕分けされているにすぎないのです。



アセチルコリン受容体にニコチンが結合するとドーパミンと呼ばれるホルモンが分泌され、神経細胞の興奮を引き起こします。

このドーパミン神経細胞は報酬系回路として知られていて快感を与えるため、行動強化につながり、依存性を強めるといわれています。

禁煙を志す人が失敗する大きな原因は、このニコチンの依存性にあります。

たばこをやめてしまうと、ニコチンが体内に入ってこなくなることから、強い離脱症状を引き起こします。

この離脱症状こそが俗にいわれる「禁断症状」で、多くの人が禁煙に挫折する理由のひとつです。

禁煙パッチや禁煙ガムなどは、微量のニコチンを喫煙以外の方法で吸収することにより禁断症状を抑え、喫煙習慣をやめようというものです。

さらに、ニコチンには全身の血管を収縮させる作用があります。

血管が収縮すると血流が悪くなるため、心疾患や脳疾患などの原因になるのはもちろん、妊婦さんなら流産や新生児の超低体重、男性ならいわゆるED(勃起障害)、さらには肌の老化など、さまざまな健康被害や身体ダメージを引き起こします。

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