COPDの本当の怖さ
もしあなたが胃の病気になって、数日間ご飯が食べられなくなったとしても、何とかがまんできますが、息ができなくなるというのは、たとえ一分でも耐えられません。
病気のなかではやはり、呼吸に関係している肺の病気が一番つらいのです。
その肺の病気のなかでもとくに、息ができなくなって苦しむCOPDについて知るには、肺の仕組みを知ることが大切です。
肺は左右の胸に一対あり、酸素を取り入れて二酸化炭素を吐き出す働きをしています。
吸い込んだ酸素は気管から気管支、さらに二三回も枝分かれしてどんどん細くなる細気管支を通り、最後はその先にある肺胞に到達します。
肺胞は直径〇・一ミリほどの小さな袋で、肺のなかには三億個ほどもあります。
肺胞のまわりには毛細血管が網の目のように張りめぐらされていて、肺胞から取り込まれた酸素は毛細血管から血液の流れに乗って、全身の細胞へと運ばれます。
一方、全身から回収された二酸化炭素は血液のなかから肺胞に取り込まれ、細気管支から襲管革袋管を通り、息となって体外へと吐き出されていくわけです。
COPDというのは簡単にいうと、肺がたばこの煙などによって破壊されて、呼吸がうまくできなくなってしまう病気です。
たばこの煙などに含まれている有害物質を長期間にわたって吸い続けていると、肺には炎症が起きてきます。
まず、肺のなかを通っている気管支のうちの、とくに細い気管支に炎症が広がり、空気が通りにくくなります。
炎症が起きると疾が増え、痰を排出しようとして咳が出るようにもなります。
こうした細い気管支の炎症は次第に、太い気管支にも及んできます。
また、炎症を起こすのは気管支だけではなく、気管支の先端についている非常にデリケートで小さな肺胞も炎症を起こして広範囲にわたってつぶれてしまい、酸素と二酸化炭素の交換がうまくいかなくなって、肺のなかで空気が流れにくくなります。
このような呼吸の障害のことを「閉塞性障害」といいますが、これが慢性的に起こってくるので「慢性的(Chronic)」「閉塞性(Obstructive)」「肺(Pulmonary)」「疾患(Disease)」という病名がつきました。
一般に、英語の長い病名のそれぞれ頭文字をとって「COPD」と呼ばれています。
COPDにはいくつかパターンがあり、炎症が太い気管にまで及んでくると痰が多くなり、「慢性気管支炎」というタイプになります。
それに対して、肺胞のほうに炎症が起こってくると肺胞がつぶれて、酸素が取り入れにくくなってしまう「肺気腫」というタイプになります。
昔は、「慢性気管支炎」と「肺気腫」は別の病気として区別されていたのですが、現在では二つを総称して「COPD」といいます。
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