がんや呼吸器系疾患の危険性
たばこには発がん物質や発がん促進物質が含まれているので、がんのリスクが高まるのはいうまでもありません。
さらに、たばこを吸うと、がんを抑制することがわかっている遺伝子も傷つけてしまいます。
さまざまながんのなかでも、たばこを吸う人と吸わない人でもっとも大きな差があるといわれているのが「喉頭がん」です。
これは、当然で、たばこの煙の一番の被害にあっているのは喉だからで、喉頭がんにかかるリスクは、喫煙者と非喫煙者で三二・五倍もの差があります。
これまでは男性に多いがんでしたが、近年、女性の喫煙率の上昇にともなって女性患者も増加しています。
このほか、「肺がん」「胃がん」「食道がん」「肝臓がん」「勝胱がん」なども一・五〜四・五倍程度の差があるといわれています。
なお、女性の場合は「子宮頚がん」や「乳がん」のリスクも高くなります。
「COPD」や「喘息」などを引き起こすリスクが高まります。
とくに、近年患者数が増加しているCOPDは「たばこ病」ともいわれ、喫煙が最大のリスクファクターである肺の生活習慣病で、患者さんの九〇％は喫煙者で、たばこを吸わない人はほとんどなりません。
一度発症すると治癒させることができない怖い病気です。
COPDは、慢性気管支炎や肺気腫で呼吸がうまくできなくなる病気の総称です。
肺気腫は、肺胞の弾力がなくなり、吐く息が弱くなる病気。正常の肺の組織はどんどん壊れ、のう胞という袋になっていきます。
また、慢性気管支炎は、慢性持続性の咳や疾が二年以上、一年のうちに三カ月以上続く病気で、こちらも徐々に進行し、肺気腫などの合併が起きると呼吸不全を引き起こす場合があります。
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