飲む禁煙薬チャンピックス
ニコチンパッチやニコチンガムは、たばこの代わりにパッチやガムでニコチンを補給することでつらい離脱症状を軽減し、禁煙を成功に導くという方法です。
しかし、実際のところ、ニコチンは補給し続けるわけですから、パッチやガムを完全にやめない限りニコチンは体内から抜けず、ニコチンがたとえ少量でも入ってくるうちはアセチルコリンもつくられません。
つまり、パッチやガムで補給するニコチンの量を少しずつ減らしていくということは、吸っているたばこの本数を徐々に減らしていくということと根本的には変わらないのです。
そもそも、パッチやガムでニコチンを段階的に減らすことができるような人は、たばこを吸う本数も減らしていけるはずです。
そういう人は、どんな方法を選ぼうと、そんなに苦労せずに禁煙できると思います。
問題なのは、かなりのヘビースモーカーで、体内に入るニコチンが減ることに耐えられない人、ニコチン依存度がかなり高い人です。
そんな人へ飲むタイプの新しい治療薬が、二〇〇八年に誕生しました。
「チャンピックス」という飲み薬で、医師の処方箋が必要になります。
この薬は、ニコチンパッチやニコチンガムと違って、ニコチンを含みません。
そして、画期的なことに、この薬がニコチンの代わりに使用しているニコチン類似物質は、イライラなどのニコチン切れの症状を抑えるほか、たばこをおいしいと感じにくくするというのです。
たばこを吸いたくてたまらなくなる人は、もし、たばこがおいしいと感じなくなるのなら、すんなりと禁煙できるのではないかと期待したくなります。
チャンピックスのニコチン類似物質もニコチン同様、アセチルコリン受容体と結びつきます。
だから、たばこを吸ってもニコチンの行き場がなくなって、もうニコチンが必要ないという指令が脳に行き、だんだん吸う本数が減ってやめられるというのがその禁煙成功メカニズムのようです。
ヘビースモーカーにとって、いきなりたばこを一本も吸えなくなるのはかなりつらいことですが、禁煙薬を飲みながら一週間はたばこを吸い続けられる猶予期間があるというのは、かなり精神的にラクになります。
そのうえ、その猶予期間中に、だんだんたばこがおいしく感じられなくなるのだとしたら、無理なく禁煙期間に突入できそうです。
まず、第一週目の一〜三日目は、〇・五ミリグラムの錠剤を一日一回、朝昼晩いずれかの食後に飲みます。
四〜七日目はそれを一日二回(計一グラム)、朝夕食後に増やします。
そして、その一週間はたばこを普通に吸ってかまいません。
七日間が終わったところではじめてたばことお別れするのですが、そのときからチャンピックスを一グラムの錠剤に切り替え、一日二回 (計二グラム)朝夕食後に飲みます。
これを一二週目が終わるまで続けます。
チャンピックスを飲むとみなさん、副作用で、「非常にご飯がまずくなって、吐き気がする」とおっしゃいます。
この点が一番、つらいようです。
でも、その副作用のせいでたばこを吸う気がなくなって、たばこそのものもおいしくなくなるというのが、禁煙にはとても効果的なのです。
「たばこを吸いたいのにがまんする」という状況がなくなるわけです。
禁煙している二週から一二週の間は、ニコチンパッチやガムと違って、ニコチンそのものはまったく体内に入ってこないというのも、ニコチン中毒の状態から離脱するためにはいいことです。
チャンピックスの禁煙成功率は六割以上で、ニコチンパッチよりも高いという報告もあります。
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