肺がんは死亡率が高い
日本人のがんによる死亡者数は、二位の心疾患(心臓病)や第三位の脳血管疾患(脳卒中)、第四位の肺炎などを抑えて、ずっと第一位です。
新しい治療薬や治療法などが次々と開発されて、早期発見・早期治療ができれば完全に治癒する可能性がかなり高くなっている現代にあっても、相変わらず「がんは死の病」と恐れられる理由はここにあります。
二〇〇五年に厚生労働省でおこなった部位別がん死亡率を見ると、肺がんは第一位(男性一位・女性三位)。第二位の胃がん、第三位の大腸がん、第四位の肝臓がんと続きます。
肺がんで亡くなる人は年々増加していて、六万人を超えています。
さらに、がんと診断されてからの五年相対生存率(がんと診断された人のうち五年後に生存している人の割合が、日本人全体で五年後に生存している人の割合に比べてどれくらいかを表す)を部位別に比較すると、大腸や前立腺、乳房、子宮などのがんは六〇%を超えているのに対して、肺は一〇〜三〇%ほどしかなく、肝臓がんとともに極めて低いことがわかります。
がんが見つかったときには、かなり進行しているケースが多く、しかも肺がんは、転移しやすいという特徴があります。
肺には血管が張りめぐらされていて、全身の血液が集まり、送り出されています。肺にがんができると、血流に乗ってほかの臓器に転移しやすく、また、ほかの臓器のがんも入ってきやすいのです。
肺がんは世界的にも増加傾向にあり、二〇一五年には日本の肺がんの年間の新患者数は男性が一一万人、女性は三万七〇〇〇人になると予想されています。
患者は五〇歳以上がもっとも多く、その男女比は男性三対女性一です。
しかし、ここ数年、女性の肺がんが急増しており、これも、COPD同様、女性の喫煙率上昇と関係していると考えられます。
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