老いは心からやってくる
「病は気から」といいますが、同様に「老いは心から」で、体は思いのほか機能低下を起こしませんが、「もう年だから」という意欲の減退は、前頭葉の委縮を招きます。
前頭葉の役割は、やる気の司令塔で、大きな感動は前頭葉に刺激を与えて心や脳の栄養となり、健康や美容に大きな影響を与えます。
より鮮烈な感動を味わうために、生のものにふれるようにします。
音楽はコンサート会場に足を運び、絵画は美術館で鑑賞する。
また、田舎に出かけ、自然の中で五感を刺激し、都会生活のストレスを発散させてバランスをとるのも方法です。
感動やチャレンジにどん欲な若々しい心が、前頭葉を活性化させ、美しさに磨きをかけることに役立つのです。
シミ、シワ、たるみ、白髪、鏡の中で自分の老いを確認するたびに、「もう若くはない」とため息をついているかもしれません。
でも、老いるということは、そう悪いことばかりでもありません。
移り変わる身体の変化をゆるやかに感受し、楽しむこと。白髪の人にしかできないカラーリングを研究したり、だんだん動きが鈍くなる身体ができないことではなくできることに目を向けたりできます。
限られた時間の中で何もかもできないとわかると、自分にとって本当に大切なものが見えてくることもあります。
失ってゆく恐怖や絶望的な喪失感に支配されると、明日の自分の幸せを信じられなくなってしまいます。
老いは人間をより個性的にしてくれるチャンスで、老いを受け入れることが楽しいと感じられるくらいになれば、何もこわいものはありません。
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