病気は朝に起こりやすい
時計遺伝子は、臓器のストレスを引き起こすストレスホルモンの分泌や自律神経の高ぶりもコントロールしており、体のリズムを決めています。
ですから、その乱れは、多くの病気も引き起こします。
実際、病気は、一日中「のんべんだらり」と起こっているわけではありません。
それぞれの病気の起こりやすい時間、臓器にとっての「魔の時間帯」が存在するのです。
分娩の陣痛は真夜中に始まることが多く、喘息発作は午前2時ごろに起こりやすいことがわかっています。
血圧は一日の中で、朝起きてしばらくの間が最も高くなります。
「モーニングサージ」とよばれる現象ですが、高血圧の方は、特に朝起きぬけに血圧が上昇してしまう方が多く、また、血液が一番固まりやすくなるのもこの時間帯です。
そのためこの時間帯には、血管が詰まったり破裂しやすく、心筋梗塞や脳卒中の危険は朝8時ごろにピークを迎えます。
糖尿病では、まだ何も食べていないのに、明け方に血糖が上がってくる方がいて、これは「暁(あかつき)現象」とよばれています。
朝はまさに、病気のラッシュ時間です。
睡眠は、体のクールダウンといいましたが、眠りから目覚め、一日の活動のエンジンをかけなければいけない朝方は、時間遺伝子の働きによって、交感神経の働きが特に強くなります。
また、血糖を上げる作用のある、副腎のストレスホルモンも朝に最高値になります。
朝は、まだまだ寝たい自分を自分自身でなんとか揺り動かして起こさないといけないので、体を奮い立たす神経やホルモンが総動員されます。
ですから、睡眠の狂いはすぐに病気につながります。
最近、時計遺伝子の一つである、「クライ」という遺伝子をなくしたマウスが高血圧になることが報告されました。
クライは「ピリオド」と結合して「時」をつくっているのですが、この遺伝子がなくなると、体に塩分をため込む作用があるホルモン、アルドステロンが「のべつまくなく」つくられるようになってしまうのです。
これは、ホルモンをつくる酵素がクライの支配を受けているので、クライがなくなると、その活動を抑えることができなくなったためです。
クライ遺伝子をなくすと、「時間に関係なく」食塩をとり続けている状態がつくられるのです。
血圧は、通常一日の生活のなかで、昼に高くなり寝ている間は下がっています。
このリズムは時計遺伝子でつくられているので、時計遺伝子の働きが狂うと高血圧になるのです。
このように、罹る多くの病気は、時計遺伝子の狂いが一因となっています。
最近の動物実験で、「レモン果汁」の摂取が、時計遺伝子の活動を高める作用があるかもしれないことが報告されました。
実験では、まずマウスを24時間絶食させて、その後、レモン果汁15%を含む溶液をそれぞれ体重1sあたり10mlで飲ませた後、2時間して肝臓での3種類の時計遺伝子を調べたところ、これらの遺伝子の働きが高まる傾向が見られたというのです。
60sの人の場合は、600ml飲めばいいのかどうか、それはまだわかりません。
しかし、時計遺伝子の働きが活発化すると、それぞれの臓器の時計の同調がうまく行われるようになるので、寝起きにレモンを摂取することで臓器が調子よく動き出して、目覚めがよくなる可能性はあります。
食事の内容によって、時計遺伝子の働きを整えることができるということです。
臓器で一番血液を使うのは?
(答)腸の健康にはカイテキオリゴ
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