ミトコンドリアは自分を食べる
ミトコンドリアが疲れてしまい、活性酸素を吐きだし始めたとき、疲れたミトコンドリアをどうするか。
ミトコンドリアにも、独自の人生、つまり、「生老病死」があります。
細胞の中で、自分の住んでいる環境に合わせて、生まれ、成熟し、やがて老いて死を迎えます。
いまの解析技術ではまだまだうまく捉えることができていませんが、ミトコンドリアはみんな同じ年齢ではなく、生まれたばかりの者、若々しく者、すこし年老いてきた者、そして、死ぬ寸前の者たちが混在しています。
人間社会と同じで、古株のミトコンドリアの死が新しいミトコンドリアの誕生と連動してバランスが保たれているようです。
熟練のミトコンドリアばかりがいいかというと、決してそうではないのです。
ミトコンドリアの「生老病死の流れ」そのものが、ミトコンドリア社会をいきいきとさせるのです。
これまでの医学生物学の研究では、「物がどうしてつくられるのか」という問いが主流でしたが、最近では、とにかく物をつくればそれでいいというわけではなく、いかに質の高いものを維持するのか、ということのほうが大切であることがわかってきました。
「不要になつた物をうまく捨てること」
それによって品質管理することの重要性がいま脚光を浴びているのです。
体の中では、「タンパク質の品質管理」がされており、食べる物がなくなり、タンパク質が不足すると、細胞の中の古いタンパク質を分解してアミノ酸にし、これをもとに新しいタンパク質をつくる仕組みがあります。
それが「オートファジー」とよばれる現象です。
オートとは 「自分」、ファジーは 「食べること」 を意味します。
自分自身で、自分の細胞の中の古いものを一部食べて処分し、新しいものをつくりだすという意味です。
ミトコンドリアもこのオートファジーでリニューアルされます。
自分で自分を食べるというのは一見、恐ろしいことのように感じるかもしれませんが、オートファジーがうまく行われていることこそが、常に健康な体の維持につながり、長生きにもつながります。
認知症をきたすアルツハイマー病も増えていますが、この病気は、オートファジーがうまく行われずに、神経のなかに、古くなって質の落ちたタンパク質がどんどんため込まれてしまうことが原因で起こっています。
最近、脂肪の多い食事が、オートファジーを低下させるという研究成果が報告されています。
高脂肪食は「体の片付け」にとって天敵で、高脂肪食は、肥満を助長するだけでなく、細胞の断捨離も妨害し、いらないものまでどんどん細胞にため込み、我々の臓器をゴミ捨て場のようにしてしまいます。
臓器で一番血液を使うのは?
(答)腸の健康にはカイテキオリゴ
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