メタボで内臓を悪化させる
肥満、メタポリックシンドロームなどは、健康を害する最もポピュラーな病気です。
メタボで起こってくる病気は、ちょうど「ドミノ倒し」のように、どんどんドミノの牌が倒れていくような連鎖反応を起こして進んでいきます。
そしてこのドミノ倒しは、「臓器の時間」が進みすぎることで、次々に起こってきます。
食べすぎや運動不足といった生活習慣の偏りがあると、ちょうどドミノ倒しの最初のドミノ牌を倒すことになり、体重が知らず知らずのうちに増えて肥満になります。
お腹の中では、脂肪がどんどんたまっていき、この脂肪組織が「内臓脂肪」とよばれており、内臓脂肪が増えることが、ドミノ倒しのスイッチになります。
血糖を下げるホルモンに「インスリン」とよばれるものがありますが、内臓脂肪が増えると、このインスリンの効きが悪くなり、その結果、血圧が上がり、食後の血糖も上昇、また中性脂肪が高くなったり、善玉コレステロールが低くなる脂質異常症が起こります。
こうした、肥満が原因となって生じる血圧の上昇、血糖の上昇、血中脂質の異常、それが「メタポリックシンドローム」です。
まだこの時期は、メタボの始まり、初期の段階なのですが、こうした生活習慣痛が重なることで動脈の血管の壁が厚くなったり硬くなったりする「動脈硬化」が静かに起こり始めます。
そして、十分な血液が臓器にいきわたらなくなって、脳出血や脳梗塞、認知症や、心筋梗塞、腎不全などが起こり、ついには、ドミノの牌は総崩れとなって、「死」を迎えます。
このように、生活習慣病が次々に「もうひとつの病気」を連れて、血管の病気がどんどん進んでいくメタポリックは、「臓器の時間」がどんどん進んでしまうことで起こる、最も代表的な病気です。
メタポリックで注目すべき点は、さまざまな生活習慣痛がほぼ「同時に」起こってくるということです。
そして、いろいろな臓器に障害が及んでいって、気がついたときには命に関わる状況に陥ってしまうことです。
なぜ、「同時に」起こるのか、それは、ある臓器での「臓器の時間」の流れる速さがどんどん加速してしまうと、それがほかの臓器にも伝わっていくからです。
しかし、体のどこかひとつでも臓器が悪くなると、それはほかの臓器にどんどん広まっていきます。
ある臓器は悪いが、あとの臓器は元気だから、健康というわけにはいかないのです。
ある臓器の時間の流れ方のペースが速くなると、そのペースにほかのすべての臓器の時間のペースもそろってしまい、あっという間に健康を崩してしまいます。
だから体全体で「時間のケア」をすることが健康にとって重要なことなのです。
メタポリックシンドロームと並んで、「慢性腎臓病」という病気が注目され、これは、病気の原因はなんであれ、腎臓の機能が正常の人の6割程度に低下している状態で、肥満、高血圧や糖尿病がその原因になっていることが多い病気です。
慢性腎臓病の方は腎臓が悪いわけですから、当然さらに腎機能が低下してきます。
そして、普通の人の機能の数パーセントになってしまうと透析療法を受けなければ生きていけなくなります。
しかし、最近、慢性腎臓病の人は、腎臓だけではなく、心臓病や脳卒中などの病気も起こりやすくなることが明らかになってきました。
腎臓が悪くなると心臓も悪くなるのです。
心臓と腎臓といえば、臓器の中でも最も離れた位置関係にある臓器同士で、それにもかかわらず、不健康が連鎖するのです。
この現象は、医学的には「心腎連関」といわれており、このように、生活習慣病、メタボ関連の病気は重なって一気に起こってきます。
こうした臓器の連関は、「臓器の時間」の流れが速い臓器が、ほかの臓器の時間まで速めてしまうために起こります。
臓器の時計の狂いは臓器の間で「伝染って」いき、「進んでしまった臓器」 の時間に、多くの臓器の時間が「そろっていく」のです。
臓器で一番血液を使うのは？
（答）腸の健康にはカイテキオリゴ
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