睡眠時間が短くなると太る?
睡眠時間の調査結果では、「7時間以上、8時間未満」の場合に平均余命が最も長くなるという統計があります。
人生の3分の1は寝て過ごしますが、日本人の平均睡眠時間は7時間と、じつは世界一「寝ない民族」なのです。
そもそも、なぜ寝ないといけないのでしょうか。
答えは、日々の生活でストレスを受け続けている内臓がオーバーヒートを起こさないように、定期的にクールダウンしなければいけないからです。
睡眠をとることで、体をクールダウンさせることができるのです。
寝ている間は、血圧は下がり体温も下がっています。
体の芯の体温は午後7時から8時ごろに最高になり、その後下がり続けて、深夜の3時ごろに最低になります。
体温が下がりやすい人ほど、「寝つきがいい」といわれていますが、反対に真夏の熱帯夜などに寝つけないのは、体温がなかなか下がらないからです。
雪山で道に迷ってしまい遭難し、暖を取ることもできず食べる物も尽き果ててしまった場面で、眠りについてしまう仲間を「眠ってはだめ」と励ますシーンがあります。
これは、エネルギー源が乏しくなって代謝が落ちてくると、体が省エネモードに入ることを望み、睡眠に誘うからです。
しかし寝てしまったらもっと代謝が落ちてしまって、悪循環になり、二度と覚醒することがなくなってしまうので、「寝てはいけない!」と叫ぶのです。
ほかの動物でも、活動しているときの基礎代謝量が多いものほど、睡眠時間を長く取って、体を回復させなければならないことが知られています。
マウスは15〜18時間、ネコは12〜13時間、イヌは10時間、ゾウは3〜4時間です。
睡眠がクールダウンと結びついている「証拠」ともいえる現象があり、それが睡眠中の「食欲」です。
脂肪細胞から、食欲を抑えるレプチンというホルモンが分泌され、このホルモンは肥満になればなるほどたくさん分泌され脳に働きかけて「もう食べるな」という命令を出します。
一方、胃からは、食欲を増進させるグレリンというホルモンが分泌され、お腹がすくとたくさん分泌されて、食欲を増進させます。
レプチンが脂肪細胞から分泌され食欲抑制し、グレリンが胃から分泌され食欲増進するのです。
この二つのホルモンのうち、寝ている間はレプチンがたくさん分泌されて、グレリンの分泌は下がり、寝ている間は食欲も落ちています。
ちなみに夏パテは、高い気温により内臓がオーバーヒートするために起こる現象ですが、その間、体はクールダウンしようと働きます。
そのため「食事」という仕事を避けようとし、食欲が低下します。
このような夏バテの食欲低下と同じことが睡眠中に起こっています。
どちらも体のクールダウンが必要な状態ということです。
ところが、睡眠時間が短くなると、レプチンの濃度が下がり、グレリンの濃度は逆に高くなってしまいます。
そうすると食欲が亢進してしまうので、体のクールダウンがちゃんとできないばかりか、肥満を助長してしまいます。
「寝ぬ子は太る」という話がありますが、それは体のホルモンの状態から見てもうなずけるのです。
睡眠時間が短くなると、食べる時間が増えるだけではなく、グレリンの濃度が高くなることで、「食べたい衝動」が大きくなるのです。
睡眠はこのように日々の生活でたまってくる「内臓ストレス」を毎日リセットするためにあります。
十分な睡眠は、「内臓ストレス」を取り除き、進みがちな「臓器の時間」をもとに戻すために大切なことなのです。
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