セロトニンには自己抑制作用がある

セロトニンには自己抑制作用がある

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セロトニンには自己抑制作用がある

セロトニンを増やすために効果的な日光浴やリズム運動ですが、セロトニンを増やそうとして日光を長時間にわたって浴びすぎたり、運動をしすぎたりするとかえって逆効果になってしまいます。

セロトニンは、やりすぎると抑制が効いて、逆に減ってしまうのです。

この現象はセロトニンの「自己抑制作用」と呼ばれ、セロトニン神経の活動が鈍くなり、最悪の場合、セロトニンが出なくなるという場合もあります。

ある幼稚園では、3歳から6歳の子供たちが、外を走り回ったり、運動をしたりと毎朝30分ほどのリズム運動することを習慣づけていました。

子どもたちの表情は毎日生き生きとしていて、尿検査の結果でも運動前と運動後では運動後の方がセロトニンの量が増えていることがわかりました。

しかし、子どもたちが遠足に行った次の日、いつものように運動を終えた後に子どもたちの尿検査をしたところ、セロトニンの量が10%〜20%減っているという結果が出たのです。

そこで先生に話を聞いてみると、前日の遠足で子どもたちは山をかけ回っていたそうで、その日の子供たちには、前日の遠足の疲れが残っており、そのためセロトニンの量が増えなかったということがわかりました。

この結果が示すように、頑張ることはいいことですが、頑張りすぎは禁物で、疲れたと感じた時はきちんと休養をとることが大切ということです。

リズム運動は、最低5分やればセロトニン神経が活性化して、その量が増えることがわかっています。

その日の体調に合わせて、時間を調整しながら行うようにします。

長時間運動を行ったときに、体内ではいったいどのようなことが起こるのかについて、長らく運動を続けていると、疲れを感じ始めます。

それは脳も同じことで、脳内に疲労物質がたまり始め、セロトニン神経の活動が弱まり、結果セロトニンの量が減るといった悪循環が起きるのです。

疲労はセロトニンの大敵と言え、激しい運動の方がセロトニン神経を活性化しやすいと思われがちですが、それは大きな誤りです。

セロトニン活性はゆっくりの方が効果は大きいのです。

ウオーキングでもストレッチでも、またチユーイングガムを噛むだけでもセロトニン神経を活発化させることはできます。

無理に激しい運動をする必要はないのです。

しかし、だからといっていつでも楽な運動ばかりしても意味がありません。

ウオーキングやジョギングではいつもより少しペースをあげたり、自転車であればペダルが重くなるようにギアを切り替えたりするなど、「軽く負荷を感じるくらいにかけてやる」が大切です。

終わったあとに軽く汗をかいたな、という感覚が大事です。

やりすぎがかえって逆効果を呼ぶのは、日光浴に関しても同じことです。

いくら日光浴がセロトニン神経を活発化させるとはいえ、カンカンデリの日に一時間も外を歩いていれば誰でもぐったりしてしまいます。

太陽の光もあまり強く浴びすぎるとマイナスの面が出てしまうのです。



網膜に当てるということで太陽を直接見るのもたいへん危険で、日陰でも網膜が太陽の間接光に当たっていればいいのです。

セロトニンを活性化させるために適した日光浴の時間は15〜30分が目安です。

太陽の照度は時間帯によって異なります。特に、昼の太陽の照度は朝日よりも早く疲労感を感じさせると言われているので、昼に日光を浴びる場合は、日陰のある場所を確認しておくなど、心がけが必要です。

夏と冬では夏の方が日差しを強く感じるので、夏の方が運動後のセロトニンの量が多くなると思われがちですが、冬と夏での運動後のセロトニンの量を比べてみると、なんと冬の方が運動をしたあとのセロトニンの量の増え方が大きいという結果が出たのです。

つまり、冬の方が運動の効果が出ているということです。

これはおそらく夏は強い日差しだけで充分にセロトニンが活性化し、さらに運動まですると疲労感となってセロトニンが減ってしまうからです。

日差しの弱い冬は日光浴+ウオーキングなどの運動をたくさん取り入れ、夏は激しい運勤を避け逆効果にならないよう身体を休めます。

夏には長期休みがあるように「夏は体を休める」と昔から言われるのには、実は脳の健康にも関係していたのです。

同じことが曇りや雨の日と晴れの日のギャップにもいえ、晴れの日は軽く、曇りや雨の日は運動を多めにするなど工夫するとよいのです。

気持ちいいと感じるくらいを目安に、日光浴の時間は個々で調整します。

ほかにもいきなり坐禅で呼吸法をやろうとするのにも限度があります。

なぜなら、普段からその呼吸法に慣れていない人が突然一日に20〜30分もやると、腹痛を感じてしまったり、吐くことを意識しすぎて過呼吸を招きかねません。

呼吸法も長ければ長いほどセロトニン神経が鍛えられるわけではなく、あくまでもその目的はセロトニンを活性化して気分の爽快感を得ることです。

時間を意識しすぎたり、苦しいのに我慢して行うと、それがストレスとなって逆効果になってしまうので、「スッキリ爽快感を感じたらやめる」など、個人の感覚を判断基準にします。

セロトニンは、すぐに鍛えられるものではありません。

効果が現れるまでに、最低3力月はかかると言われています。

最初の10日前後に一度セロトニン活性が落ち込むことがありますが、がまんして持続していれば目に見えて効果は現れてくるはずです。

効果を期待するばかりに、トレーニングをやりすぎて疲れてしまったり、そのうえ、逆効果となってセロトニン神経が鍛えられなくては意味がありません。

トレーニングは一回にたくさんやるよりも、5分でも10分でもいいので、毎日続け、長い期間にわたって行うことが何よりも大切です。

継続するように努めることが、何よりも効果につながるのです。

たとえできない日があっても落ち込むことはありません。

誰にでも体調が悪かったり、時間がなかったりしてできない日はあります。途中で挫折しても、また気持ちを切り替えてそこからやり直せばいいことです。

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