セロトニン不足でうつ病に
最近の研究でうつ病で自殺した人の脳を解剖してみると、セロトニンがうまく働いていないことを示す脳内変化が確認されています。
それではなぜ、セロトニンが不足してしまうと、うつ病になってしまうのかについて、慢性的なセロトニン不足が続いてしまうと、セロトニンの伝達機能を調節するため、セロトニン自己受容体が増えます。
セロトニン自己受容体は神経細胞から分泌されたセロトニンを他の神経へではなく、分泌した細胞自身に戻して調節する働きがあります。
自己受容体が増えるとセロトニン神経の活動は抑制され、この自己受容体はすぐに減るものではありません。
こうして脳全体のバランスが崩れることにより、うつ病が発症してしまうのです。
「心の風邪」と言われる軽度のうつ病は、おおむねセロトニン不足が原因です。
こういった軽度のうつ病を含めたうつ病患者は、全国に600万人以上いるのではないかと推測されています。
うつ病患者が爆発的に増えたのは1980年代ぐらいからで、それ以前ももちろんうつ病患者はいましたが、これほどまでに多いというわけではありませんでした。
うつ病だけでなく、キレやすい大人や引きこもりなどが問題視されるようになり、パニック障害、過食症、拒食症、慢性疲労症候群、自閉症などの病気も増えています。
生活が便利になってきているのとは逆に、不幸を感じてしまう人たちが増えている理由は、現代の快適で便利すぎる生活環境に原因があるともいえます。
1980年代後半くらいからパソコンが登場し、生活は劇的に変化しました。
パソコンの普及によって、インターネットは世界中に広まり、パソコン1台あればなんでもできるようになりました。
それは大人だけに限ったことではなく、子供もまた長時間インターネットやゲームをするようになりました。
昔の親は「子供は外で遊びなさい」とよく言ったものです。
しかし、今の親にはそういった感覚が少なくなり、こういった家庭環境も、セロトニン欠乏脳を起こす−因になっており、軽度のうつ病やキレる若者、引きこもりといった症状を生み出しているのではないかと考えられます。
キレるとはストレスがコントロールできず、怒りにまかせて感情を爆発させてしまう行為です。
これまでに公の場でキレる人と言えば、泥酔した人などを思い浮かべるかもしれませんが、最近では普段はマジメでおとなしい人が、ついカッとなってキレてしまったという事例が増えています。
これもセロトニン神経が深く関わっています。
「キレる」という現象に、もっとも潔く関連しているのが前頭前野の腹外側部にあるスイッチ脳です。
スイッチ脳は、行動の切り替えや衝動的攻撃行動を制御する役割を担っています。
セロトニン神経が弱まると、スイッチ脳をうまく働かせることができなくなるのです。
「上司に怒られた」「嫌なことがあった」、そんなストレスに対して気持ちの切り替えがうまくできず、我を忘れて感情を爆発させてしまうのです。
衝動的攻撃行動の切り替えがスムーズにできないと最悪の場合、対象が自分に向かってしまうと自殺、他者に向かってしまうとキレるという行動をとってしまうと考えられます。
セロトニンの機能が低下してしまうと、その動物は残虐な行動をとるということも動物を使った実験によりわかっています。
セロトニン神経を破壊したラットとマウスを一緒のゲージに入れておくと、普段は大人しいはずのラットがマウスを噛み殺して食べてしまうのです。
そしてそのラットにセロトニンを補給すると、以前の大人しいラットに戻ります。
この実験結果から見てもわかるように、昨今起きているような少年による凶悪事件もまた、セロトニン欠乏脳が原因ではないかと推測できるのです。
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