泣くことと笑うことでセロトニン活性
人は涙を流すと、副交感神経が活発に活動することがわかっています。
日中、人が活動している時は交感神経が働いていて、夜になると副交感神経が働きます。
副交感神経は通常、夕方から夜にかけて働く神経で、脈拍は緩やかになり血圧を下降させ、身体を緊張からときほぐす作用があります。
人が涙を流すのは、この本来夜のリラックスした時間に働く副交感神経の激しい活動が涙を流す直前に起こるためなのです。
この交感神経の副交感神経への急激なスイッチングは、人の心をリセットする効果があります。
その時間はおよそ10分程度で、その間、人は起きているにも関わらず積極的にストレスを解消しています。
涙と二言で言っても、感動した時だけでなく、目にゴミが入ったりしても涙を流します。
人間の涙は三種類に分類することができます。
1つは「基礎分泌の涙」で、これは目を保護するために分泌されている涙で、瞬きをするたびに目を潤わせています。
基礎分泌の涙が不足していると、ドライアイになってしまい目の乾きを覚えます。
2つ目は目にゴミが入ったり、玉ねぎを切った時などの刺激を受けて出る涙で、これを「反射の涙」と言います。
これら二つの涙は、抗ストレス能力のある涙ではありません。
3つ目の「情動の涙」こそが、哺乳類の中でも人間だけに与えられたストレスを緩和させ、免疫系を強めることができる魔法の機能です。
情動の涙とはうれしい時、悲しい時、感動した時に流す涙です。
子供がケガをした時に「痛い、痛い」と言って流す涙も情動の涙です。
赤ちゃんがお腹が空いたり、おむつが汚れたりする時に流す涙も同じこと。赤ちゃんや子供は何らかのストレスを感じた時に、涙を流すことによってストレスを親に解消してもらうようアピールしているのです。
それは赤ちゃんの数少ないコミュニケーソヨン手段のひとつでもあります。
年齢を重ねるうちに人は悔し涙や悲しみの涙を流すようになりますが、大人になると人前で泣くことは許されなくなります。
大人になって流す涙が感動の涙です。
感動の涙は小きな子供には流すことができません。
それは、失敗や成功などの経験に基づく他者に対する共感の気持ちが働いているからです。
他人の悲しみや喜びを共感するという行為は、前頭前野の共感脳と呼ばれる内側前頭前野が発達していないと感じることができません。
つまり、感動の涙を流した時には、自律神経のリセットと同時にセロトニン活性が起こり、最強の浄化作用が起こるのです。
映画やドラマを見て感動して泣き、カタルシスを感じると妙にスッキリするのはそこにあったのです。
カタルシスとはギリシャ語で浄化を意味する言葉です。
では、人が情動の涙を流す時、脳の中で何が起こっているのかについて、実際に感動の涙を流している人の脳の血流を計測してみると、内側前頭前野の共感脳の血流が増加することがわかりました。
人が感動し、クライマックスに差しかかった時、前頭前野の血流は一気に増加し心拍数血圧も上昇しました。
血流の上昇は10秒ほど続くと、被験者は涙を流し始めます。
その後、号泣すると心拍数は減少に転じます。
この情動の涙に関係しているのが副交感神経です。
人が涙を流す直前、交感神経は極度の緊張状態になります。
そこで副交感神経のスイッチが入ると涙を流し、同時に緊張緩和のリセット状態が促されます。
号泣を無理に止めることなく、その状態がおさまるまで放っておくとスッキリとした落ち着いた気持ちになれるのはこのためです。
また人は情動の涙を流すことによって、肉体ストレスを抑制することもできます。
セロトニン神経が活性化し、副交感神経が活発になることで、高血圧を抑制させたり胃潰療などの病気を防ぐことができるのです。
最近では「笑うこと」が免疫系を活性化させる効果があるとして、医療の現場でも取り入れられています。
「笑い」と「泣き」は正反対の場所にあるように思われますが、脳の働きを見てみると非常に似ているのです。
笑いも泣きと同様に共感脳が働くのですが、笑いの方はむしろ活力がみなぎり、泣きの方がより不安や緊張をやわらげる働きがあるというデータがあります。
笑うことは腹筋を使ったリズム運動でもあります。
笑うときは大きな声を出しておもいっきり笑い、そして溜まったストレスをスッキリ流したいときには、思う存分に号泣すると、それだけで簡単にストレスは解消されます。
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