セロトニンは生命維持に欠かせない
セロトニン神経の数は、脳内にある150億以上もの神経細胞の中で、たった数万個しか存在しません。
そのセロトニン神経がある場所は、最古の脳と呼ばれる脳幹で、この脳はすべての脊髄動物が持っている器官で、呼吸や血液循環、消化、歩行、咀嚼など生命活動に関わる運動の調節を担っています。
そんな原始的な場所であり重要な器官にセロトニン神経があるということは、セロトニンは生命維持の上で欠かすことのできない脳内物質とも言えるのです。
セロトニンの役割をわかりやすく説明すれば、脳内オーケストラの指揮者のような存存で、ドーパミンやノルアドレナリンという楽器の演奏をコントロールしています。
セロトニン神経は指揮者のごとく、一定のセロトニンを放出しながら、脳全体のバランスを整え心身ともに支えてくれるのです。
セロトニン神経の主な働きには、「クールな覚醒」「平常心」「自律神経の調節」「痛みのコントロール」「よい姿勢の維持」の五つがあります。
クールな覚醒とは神経系の神経細胞のほとんどを司る大脳皮質の活動を抑えながら、その働きを高いレベルで維持することです。
セロトニンのクールな覚醒は、ノルアドレナリンのような血圧を上昇させたり心拍数を高めるようなホットな覚醒ではなく、セロトニンが出ている時は血圧は一定で心拍数も落ち着いています。
人間の活動において、まさに理想的な状態です。
次に平常心ですが、これは心のアップダウンを調節する働きのことで、すでに述べたドーパミンとノルアドレナリンのバランスをとって心に安定をもたらす働きです。
こういった平常心は、スポーツ選手にとってはとても大切です。
三つ目は自律神経の調節についてです。
まず自律神経とは、心臓の機能や呼吸、発汗、体温調節、消化など生命活動を維持する活動を支えてくれている神経です。
自律神経は交感神経と副交感神経の二つの神経から構成されており、意志とは関係なく働いています。
交感神経は目覚めてから活動している時に働く神経で、交感神経がもっとも強く働いているのは運動をしている時などです。
副交感神経は睡眠時に働き、休眠やリラックスしている時に働きます。
朝、人は目が覚めると副交感神経と交感神経が徐々にシフトしていきます。
この二つの神経が上手くシフトできるように働きかけるのがセロトニンです。
毎朝ベッドから起きようと思った時にグズグズして、もう一度寝てしまった、なんて経験があると思います。
しかし、セロトニン神経が活発であれば、交感神経を適度に緊張させて目覚めた後の活動をスムーズにこなせるように準備状態を作ってくれるのです。
また、交感神経は体の暑さ寒さの調節をしたり、血圧をあげたり起きている時の興奮状態を演出してくれます。
もしセロトニン神経が弱ってしまい、交感神経と副交感神経のバランスが乱れてしまうと、寝起きが悪くなったり目まいや立ちくらみといった症状が現れたり、ひどい場合は自律神経失調症になってしまうこともあります。
四つ目は痛みを抑える作用で、喜怒哀楽を脳で感じているのと同じように、痛みも脳で感じています。
ケガなどをした際、皮膚から入ってきた情報は脊髄を通って脳の視床へと送り込まれ、そして大脳と大脳辺縁系へと伝わります。
痛みも人それぞれ感じ方が違うと思いますが、セロトニンが鎮痛剤のような作用があり痛みを和らげてくれるのです。
これは実験でも証明されており、セロトニン活性するリズム運動のひとつであるガム噛みをしてもらいながら、痛みの刺激を与えます。
すると被験者は、セロトニン活性と同時に痛みの刺激に対する反射が減っていったのです。
これはセロトニン神経を活性化させることにより、痛みの伝わりを抑制させることができるためと考えられています。
そしてセロトニンの最後の機能が、よい姿勢を維持できることです。
セロトニン神経が、「背筋を伸ばせ」などと直接命令を出すことはできませんが、「抗重力筋」という運動神経に働きかけることができます。
抗重力筋とは重力に対して姿勢を保持するために、意識とは無関係に緊張する筋肉のことです。
具体的には背中の表面全体の脊柱起立筋や腹筋まわりの腹直筋、お尻の大腎筋などがそれにあたります。
セロトニンが不足してしまうと、抗重力筋も緊張を保つことができず、背中が曲がって猫背になり、部屋でゴロゴロ横になってダラダラしてしまうことが多くなってしまうのです。
セロトニン神経の働きは、心だけでなく身体にも大きな影響を与えています。
セロトニン神経が活性化していれば、キリッと引き締まった生活を送ることができるのです。
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