認知症とセロトニンの関係
認知症は、脳の認知機能低下により発症する病気であることはよく知られていると思いますが、実はその症状発現にはセロトニンも深く関わっています。
認知症には記憶障害を引き起こす中核症状と、徘徊、抑うつ、妄想などを引き起こす周辺症状があります。
中核症状は記憶に影響を与える神経伝達物質・アセチルコリンの生産が減ることにより起こるものです。
アセチルコリンの働きが悪くなると、さまざまな記憶が障害を受けます。
人や物の名前がわからなくなる失語、道具の使い方がわからなくなる失認、洋服の着方がわからなくなる失行、計画したり手順を考えることができなくなる実行機能障害が症状として現れます。
中核症状は認知症を患った人すべてに起こる症状です。
アセチルコリン系の神経は回復しないので、改善されることはなく、確実に進行していきます。
対処法は進行に合わせた介護をする以外にありません。
一方、周辺症状は徘徊、暴言、暴行など、具体的な行勤として現れる行動症状と、抑うつ、妄想、幻覚、睡眠障害など、心との関連が深い心理症状があり、やはり神経伝達物質の異変が主な原因です。
中でもドーパミン、ノルアドレナリン、そしてセロトニンの変化が大きな影響をおよぼしています。
ドーパミンは正常に働いていれば、意欲や心地良さに繋がりますが、働きが過剰になると、幻覚や妄想を引き起こします。
ノルアドレナリンは不足すると心に不安や不穏をもたらし、徘徊や暴言、暴行などを引き起こし、それら二つの情報をコントロールしているのがセロトニン神経です。
脳からセロトニンが不足し、セロトニン神経がうまく働かないために周辺症状が起こると考えられています。
ここからが中核症状と周辺症状の違うところで、中核症状を引き起こすアセチルコリン系の神経は回復しませんが、周辺症状に関わる神経は改善が可能です。
つまり、認知症が進行していても周辺症状は改善することができるのです。
そして、改善の鍵を握るのは、ドーパミンとノルアドレナリンをコントロールしているセロトニンに他なりません。
セロトニンが活性化されれば、周辺症状が出るのを食い止めることもできるし、現れたとしてもうまくコントロールできます。
認知症になった人にも、これまで述べてきた「太陽を浴びる」「リズム運動」「グルーミング」によってセロトニン神経は活性化されます。
まず、太陽の光を毎朝浴びることを習慣づけます。
朝の散歩に行ける状態なら一番ですが、外に出られない場合は雨戸やカーテンを開けて、部屋いっぱいに日差しを取り入れます。
なぜ朝がいいのかと言うと、認知症の人にとって日中の光は刺激が強すぎますし、夕方の光はセロトニンカを高める力が弱いからです。
太陽を浴びている間は、本人の状態をよく見るようにします。
必要以上に浴び続けると、セロトニン神経に備わっている自己抑制機能が働き、セロトニン神経の活動レベルが下がってしまう場合があります。
帰りたがる場合は疲労感や倦怠感を感じている可能性が大きいので、早めに切り上げたほうがいいです。
次はリズム運動で、認知症の進み具合によっては取り組むのが難しいものもあるかと思いますが、歩行、咀嚼、呼吸の三つはしっかりやります。
歩行は散歩ができる状態なら日課にするのが望ましいですが、散歩に付き添う時間がない場合は、買い物に一緒に行くというのもーつの方法です。
家事の一環である買い物のついでであれば、比較的時間も取りやすいです。
歩くことに不便があるなら、座ったまま両手を横や上に広げたり、肩を回すだけでも効果があります。
咀嚼は三度の食事の中で意識します。
認知症の人の食事は食べ物が気管に入ってしまう誤嚥を防ぐために、食べやすいもの、飲み込みやすいものが中心となる場合が多いのですが、歯ごたえのあるものをゆっくり食べるようにしたほうが、脳には効果があります。
リズム運動においては、歌うのが一番で、好きな歌を楽しんで歌うことにつきます。
周囲が率先して口ずさむようにすれば、自然と歌が生活に溶け込んでいきます。
そしてグルーミングですが、意識的に人と触れ合うことを心がけます。
デイサービスやデイケアを利用するのもよく、人とのコミュニケーションという面ではもちろん、外に出ることで、身だしなみを意識するというのも重要なポイントです。
症状が進むと衣服の着脱の仕方も忘れてしまうことがありますが、認知症の人にとって身だしなみは大きな意味を持っています。
たとえば、かつて社会的にある程度の地位にあった認知症の人が現役の頃のようにスーツを着てネクタイを締めると、適度な緊張感と意欲が湧いてきて気持ちがシャキっとしたという例があります。
これは毎日会社に通っていた習慣が、記憶の奥に残っていたのだと考えられます。
認知症介護の場において、介護側のストレスも大きな問題で、患者の立場だけでなく、介護側にもセロトニンはとても大切なものです。
セロトニントレーニングを一緒に行っていれば、セロトニンカは自然とつきますが、介護をするうえで欠かせないポイントがいくつかあります。
重要なのは朝で、朝にセロトニンをしっかり分泌させておけば、一日の介護のなかで生まれるストレスにも対応しやすいです。
そして、一日の介護を通して溜まったストレスは涙を流してリセットします。
泣くことは優れたストレス解消法です。
たとえば介護ストレスに耐え切れず泣きたくなることもあり、そういった時は、家族と一緒に思い切り泣いたほうが、心にも体にもとってもいいのです。
認知症の人の中には夜中に起きて徘徊する人もいますが、その場合は認知症の人と眠りの周期を合わせることで負担は軽減されます。
さまざまなストレスに負けないためにも、介護をされる側もする側も積極的にセロトニンを鍛えるようにします。
どんなに認知症の方がわずらわしく、記憶をすぐなくしてしまうから平気だと思っても、真撃なコミュニケーションを維持し続けることが大切です。
認知症にかかっても表情を読む能力はそれほど衰えるわけではありませんから、介護する側はいつでも穏やかな表情で笑顔をもって接してあげるようにします。
共感する心を感じさせることがセロトニンを活性化させるための重要なポイントです。
何か失敗した時も責めるのではなく、失敗してしまった状況を一緒に何とかするという姿勢で接するようにします。
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