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セルフ・ヘルプには、万人にとって絶対的なものはありません。

それよりも自分にとってやりやすく、きちんと続けていけるということが大切です。

たとえば、呼吸法というのは、腹式呼吸を繰り返すことで、自律神経の調子を整えていくものなのですが、怒り、悲しみ、恐怖などの感情を沈静化したり、うつ病、不安障害、アルコール依存症、過食症など、心の病気の改善を助けたり、不眠症や自律神経失調症による身体症状を和らげたりと、さまぎまな効果を発揮します。

つまり、呼吸法とは肉体をつかったセラピーでありながら、心のバランスから、行動の異常、体の病気まで、調整していく力をもっています。

これは、心と体が同じ情報伝達ネットワークで連携しているからです。

心の調子が悪いと、体や行動にも悪影響が出るというマイナス面がある一方、ケアするときも、なにかひとつのことをすることで、全体に好影響を波及させていくことが可能であるのです。

また、たとえば、うつの要因が人間関係にまつわる悩みだからといって、対人関係を扱うセラピーだけにこだわる必要もありません。

ウォーキングによって精神的ストレスが和らぐこともあれば、ものの見方を変えてみることで、相手の気持ちがわかることもあります。

ハリを打ってもらったら、ネガティブな発想が消えてしまうこともあるし、薬やサプリメントの力で、落ち込んだ気分や胃の痛みが解消できることもあります。

うつの入口(ストレス対処)と出口(症状対処)は必ずしも同じでなくてもよいのです。

さまぎまなセルフ・ヘルプが、心身のつらさの緩和や、考え方の修正などを助けてくれるわけです。

問題の根本的な解決のためには、そこにしっかりと向き合うべきときもあります。

ただ、不用意に向き合うと、失敗して、手ひどいダメージを受けることもあります。

そこで、セルフ・ヘルプによって、いま、目の前にあるストレスを和らげたり、自分のパターンの見直しをしたりしながら、できることのハードルを少しずつ上げていくことが大切なのです。

そして、最近、注目されているのがマルチ・モダリティという考え方です。

これは、数あるセラピーのいずれかを単独で使うのではなく、戦略的に組み合わせて使ったほうが、効果を得やすいということを意味します。

また、試してみないと、なにが効くかわからないという側面もあります。

だから、ひとつの軸だけでなく、それぞれを組み合わせて、幅広い角度からのアプローチを試してみるべきだ、というのがこの考え方です。

セルフ・ヘルプもそれと同じで、いくつかの方法にトライし、自分に合うメニューを複数見つけ、それを組み合わせて使っていくことがおすすめです。

また、最近、精神医療の世界では、よりきめ細かくメニューを選択・組み合わせするためのモジュール・セラピーという概念が出てきています。

モジュールとは、部分的要素のことで、もともとは工業の世界の用語ですが、ごく簡単にいってしまうと、「自分に必要なおいしい要素を、戦術的につまみ食いする」という考え方です。

従来、精神療法は、うつの治療の認知(行動)療法だけ、パニック障害の認知(行動)療法だけ、アルコール依存症の認知(行動)療法だけというように、標的を絞ったタテ割りのアプローチで行われてきました。

その一つひとつは独立した体系的なプログラムで、カウンセリングに何度も通いながら受けていくようにできています。

しかし、現実的には、うつがあれば、不安障害を併発している人は多いし、アルコール依存症の人は、酒量が増えるとうつの症状も強くなるなど、人間はそんなに単純なものではありません。

それぞれに心と体の問題をいっしょに抱え、苦しんでいることも多いのです。

そこで、カウンセリングでも最初はうつ、パニック障害、アルコール依存症など、その人にとって最優先の課題を扱っていくとしても、ある程度改善してきたら他の問題にも必要に応じ、部分的な対処法をとり入れてアプローチしていこうということが提唱されるようになってきたわけです。

同じようにセルフ・ヘルプも、今の自分に必要だと思うこと、自分にできることをモジュール感覚で組み合わせていきます。

その際は、楽しみながらできること、趣味の延長のようなことなども上手に取り入れてみると無理なく続けていけるはずです。

また、落ち込みが激しいときは、うつの精神療法的なセラピー・メニューを加えてみるとか、体に痛みがあるときは鍼灸院にかかってみるなど、モジュールの差し替えを行ってみるのも効果があります。

うつ病がんばるな!

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