病気には炎症が関わっている
慢性炎症は、体のあらゆる場所で起こります。
そして、がん、心臓病、脳梗塞、糖尿病などの生活習慣病も、その背景には、この慢性炎症があるのです。
免疫の専門家によれば、世の中の疾患の9割に炎症が関与するとまでいわれます。
精神科においても、うつ病(操うつ病)だけでなく、アルツハイマーや統合失調症といった脳の病気に慢性炎症が深く関わっていることがわかってきています。
慢性炎症が病気を引き起こす理由のひとつが、炎症による強い酸化作用です。
免疫反応が起こって、からだ防衛軍が敵である病原体を攻撃するときは、その武器のひとつとして活性酸素が使われます。
同じように、慢性炎症がジリジリダラダラと続くときも、この活性酸素が出続けるのですが、その強い酸性でウイルスや細菌だけでなく、健康な組織までサビさせてしまうのです。
さらに遺伝子が傷つけられると、それが発がんの要因になることもあります。
以前から、胃炎を繰り返していると胃がんになりやすく、肝炎を繰り返していると肝臓がんになりやすいなど、炎症を伴う病気ががんのリスクを高めることは知られていましたが、慢性炎症のような弱い炎症でも、長く続けば、そのダメージは深刻なものとなっていくのです。
また、酸化が脳の中で起こると、脳細胞が死んでしまいます。それが記憶をつかさどる領域で起きると、アルツハイマーなどの要因にもなりかねません。
そして、動脈硬化の原因は血管で起こる慢性炎症だということがわかっています。
血液が悪玉コレステロールや脂肪などの異物でドロドロしていると、その異物が血管に慢性炎症を起こしてダメージを与えます。
炎症を起こした血管は、傷つきやすく、そこを保護するためにかさぶたができやすくなります。
そのかさぶたがはがれ落ちて、脳や心臓の血管につまると脳梗塞や心筋梗塞が起こります。
細い血管がつまれば、目の血管なら失明、腎臓の血管なら腎不全といった問題につながります。
また、動脈硬化が起きている血管はもろくなっているため、大切な血管が破れて大出血すると命の危機にもさらされます。
さらに、この動脈硬化を悪化させるもののひとつが糖尿病なのですが、ここにも慢性炎症が関与していることがわかってきています。
生活習慣によって発症する成人型糖尿病の場合、炎症を促進する悪玉ホルモンが、インスリンヘの体の反応を低下させ、血糖値を下がりにくくしてしまうのです。
うつ病がんばるな!
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