脳の慢性炎症とは
これまでは多くの人が、うつの原因はセロトニンなどの脳内化学物質の減少だと信じてきましたが、どうも、それは真の原因ではなかったようです。
いま、精神医療の最先端で注目されているのが、うつは脳の慢性炎症によって起こるというものです。
世界に目を向けてみると、うつと恨性炎症の関係はすでに熱い注目を浴びていて、学術レベルでは「ほぼ間違いない」と確信されています。
炎症というと、風邪をひいてノドが腫れたり、傷などのある場所が、赤くなったり、痛くなったり、熱をもったりを思い浮かべます。
やさしく砕いていうならば、「なんらかのきっかけで体に生じたダメージに対する反応」ということができます。
腫れたり、痛くなったりという反応もまさにそれで、これらは、急性炎症とよび、急性炎症は、体の中で免疫反応が働いたときに起こります。
免疫反応とは、体内に病原菌が侵入してきたり、やけどや打ち身などの物理的刺激を受けたりしたとき、その危機に対応するための体の防御システムにおける反応です。
つねにさまざまな細菌やウイルスにさらされていて、また、健康な人でも、体内では、毎日、無数の異常が発生していますから、それに対応するための免疫反応による急性炎症も、体のあちこちでつねに起こっているわけです。
急性というぐらいですから、突然、発症する激しい炎症で、熱が出たり、腫れたり、痛みが出たりと症状も顕著です。
急性炎症は、大きくは2つのプロセスをたどります。
はじめは、細菌やウイルスといった外敵などと激しく戦う戦闘期です。
武器はいくつかあるのですが、なかでも強力なのが、リンパ球などの免疫細胞、そして、活性酸素です。
そのあとが、戦いによって破壊されたフィールドの修理・補強を行う回復期で、武器を使ったときの爆風や流れ弾によって、血管など、健康な体の組織もどうしても傷んでしまうため、かさぶたをつくって傷口をふさぐなどの修復が必要になってくるわけです。
うつ病がんばるな!
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