地中海式食事方法の効果
ヨーロッパにはさまぎまな国がありますが、うつに苦しむ人が少なく、自殺率も低いといわれているのが、スペイン、イタリアなどの地中海沿岸の国々です。
日本の自殺率が10万人あたり約25人であるのに対し、スペイン、イタリアは8人前後であり、これは世界的に見ても低い数字になっています。
どちらも、どこか気楽で陽気な国というイメージがありますが、心の健康を損ねる人が少ない理由についてその秘密を解き明かすような研究が、スペインのナバラ大学で行われました。
これは、スペインをはじめとした地中海沿岸の国々の典型的な食スタイルであるク地中海式食事方法とうつの関わりについて調べた研究です。
1万人の対象者を一定期間にわたって追跡し、その間に、どんな人が病気になり、どんな人が健康に過ごしているかなどが調べられました。
その結果、うつを発症したのは1万人中約500人、つまり、約5パーセントと、かなり低いことがわかりました。
うつにならなかった人々の食生活に共通していたのが、地中海式食事で定番の食材を日ごろからよく食べていたということでした。
歴史と伝統が脈々と息づくというイメージのスペインですが、近年は都市化や女性の社会進出、大家族制の崩壊などを受け、外食が増えたり、ファーストフードが氾濫したり、脂肪・塩分・糖分の摂取が増えたりと、食文化にも大きな変化が起きているといいます。
そんな環境の変化にも負けず、伝統的な食事をとり続けていた人は、心の健康も保っていたということなのです。
この研究は、地中海式食事とうつ病のリスクとの関係性を、代表的な成分ごとに踏み込んで分析している点でも大きな評価を受けています。
伝統的なスペイン料理といえば、魚介類のオリーブオイル妙め、具だくさんのパエリアなどを思い浮かべますが、食材でいうと、青魚、オリーブオイル、野菜、くだもの、ナッツなどがその代表です。
そして、これらの食材に含まれているのが、ω−3不飽和脂肪酸、ω−9不飽和脂肪酸、ビタミンB群などです。
これらは、近年、メンタルヘルスの世界でも注目されている栄養素であり、慢性炎症の改善によいともいわれているものたちなのです。
うつ病がんばるな!
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