香りで疲労回復するとは
現在、疲労回復に役立つことが科学的に証明されているのが「みどりの香り」で、これは緑葉に含まれる「青葉アルコール」や「青葉アルデヒド」と呼ばれる成分です。
実験では、みどりの香りを喚がせたサルとそうでないサルの両方に簡単なボタンを押す作業を続けさせました。
みどりの香りを喚がせなかったサルは、時間とともにボタンを押す課題反応時間が長くなり、徐々に作業能力が低下します。
一方、みどりの香りを嘆がせたサルは長時間作業を続けても、作業能力はあまり低下しませんでした。
この結果から、みどりの香りには作業能率の低下を抑える働きがあることがわかったのです。
みどりの香りを喚ぐと、香り成分が鼻にある嗅細胞を直接刺激して、それが神経を介して脳の神経細胞に入って効果を発揮します。
さらに、みどりの香りが、脳の神経細胞の機能を高めることで、相対的に細胞への負荷を軽減していることが推測されています。
みどりの香りがあらかじめ脳神経細胞の機能を高めることで、同じ作業を行った場合にも負担が軽くなり、その結果、活性酸素の発生も軽減できて疲労が軽くなるわけです。
みどりの香りについては、人間を対象とした試験においても、サル同様に優れた抗疲労効果を示しています。
これまで観葉植物についてそのリラックス作用が話題となっていましたが、植物の持つ天然の香りに神経細胞の機能を高める働きがあったのです。
みどりの香りの疲労回復効果を得るには、できる限り負荷がかかっている最中（疲労負荷状態）に嘆ぐことがよく、イミダペプチドやクエン酸の抗疲労成分のように、毎日少しずつ摂取することで抗疲労効果が得られるというものではありません。
これから徹夜仕事が続きそうだからといって前もってみどりの香りを嘆いで過ごしても、その効果は期待できません。
徹夜で仕事をしている最中にみどりの香りを嘆げば、疲労軽減効果が得られるのです。
みどりの香りとは芝生を芝刈り機で刈ったときや緑茶の缶を開けたときの香りです。
新茶の香りは青葉アルコールの濃度が特に高いことが知られています。
また、部屋に観葉植物を置き、時々、葉1枚だけすりつぶしてみるのもよいかもしれません。
すりつぶしたときに香る青葉独特の香りがみどりの香りです。
みどりの香りは芳香剤としても販売されていますが、可燃性で引火の危険もあるため、原液を通常のろうそくで温める使用は危険です。
みどりの香りの実験結果の考察の中で、現在のようなコンクリートなどの化学合成物質の中での暮らしは、疲労感を訴える人の増加のひとつの原因ではないかといわれています。
昔は、人間は大自然の中で緑に囲まれた生活を送っており、においを介した情報は人類の進化の過程において重要な役目を果たしています。
みどりの香りは植物が発する緑葉成分なので、人間の体は生活環境の中に緑の成分があるという前提で進化してきたとも考えられます。
コンクリートに囲まれた生活は、みどりの香りとはかけ離れた生活ともいえるので、これが体に何らかの悪影響を及ぼしているのではないかといわれています。
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