脳の疲労とは

脳の疲労とは

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脳の疲労とは

疲れたと感じているのは脳について、体に起こった疲労を脳はいつ察知するかというと、それは疲労因子FFがつくられたときです。

疲労因子FFが体内につくられると、その情報を脳へと伝達するサイトカインという物質がつくられます。

通常はそれが脳へ、体が疲れている、という信号を送り、疲労感として認識されます。

そして、疲労回復のための行動に出るわけです。

しかし、脳に、疲れた、という信号が送られても興奮状態にある脳や幸福感でいっぱいの脳がその信号を無視してしまうこともあります。

疲労感というのは達成感、やる気、ごほうびといったことでいとも簡単に消し去られてしまい、これが疲労感がマスクされた状態です。

体には疲労因子FFがたくさん増えているにもかかわらず、疲労感は感じません。

プロジェクトの達成に気をよくして、そのあとも頑張り続けたとしたら、疲労感なき疲労が、突然死を引き起こしてしまうのです。

「飽きる」というのが脳疲労のサインで、頭がぼうっとする、イライラする、物忘れが激しくなる、注意力が散漫になる、反応が鈍くなるといったことも脳が疲れている証拠です。

ひとつのことだけに集中しているのは、脳のひとつの細胞を長時間使っているということで、その部分だけダメージを受けて疲れさせてしまいます。

ですから、脳は「飽きた」という指令を出して、別のことをさせようとします。

そうすると、脳の別の部分を使うことになり、それまで使っていた脳の部分を休ませることができるのです。

脳はたくさんの神経細胞が集まった塊のようなもので、大きく分けると、大脳、小脳、脳幹の3つに分けられます。

進化の過程で最も大きく発達したのが大脳で、全体の4分の3を占めます。

そして大脳は、前頭葉、側頭葉、後頭葉、頭頂葉の4つに分けられ、ものを考えたり、計算をしたり、言葉を発したり、視覚情報を認識するなど場所によって異なる働きを担当しています。

脳は生まれたときから死ぬときまでこうした働きを続ける臓器なので、いつも疲労にさらされていることになります。



携帯電話、テレビ、インターネットなど、あらゆるところから情報が入ってきます。

脳は目から、耳から入ってくる情報を次から次へと処理していかないといけません。

入ってくる情報が増えるということはそれだけ脳に負担をかけることになり、脳を疲れさせるというわけです。

現代のような情報化社会に、脳の進化は追いついていけず、これが脳疲労を引き起こしているともいえます。

また、自分にとって必要な情報なのか不要な情報なのかを処理する価値判断が複雑になっているので、その都度、脳は処理方法をさがしていかないといけないわけです。

元々人は頭の中で情報の重要度に順位をつけ、低いものから忘れていくということをしてきました。

しかし、今はそれが何を記憶していいのか、何を忘れていいのか上手に処理することができなくなったのです。

人は外界からの情報の80%以上を視覚から得ているといわれ、人はものをじっくり考えたり、落ち着きたいときに自然と目をつぶります。

これは視覚から入ってくる情報を一時的に遮断して、脳に蓄えた情報を整理するための動作といえます。

目で見て気づいたり、見たりできる範囲を周辺注意力視野といいますが、脳が疲れてくると無意識に視覚情報を制限してしまい、この視野を狭めます。

通常見なければならない最低限の範囲だけを見えるようにして、ほかは見えないように有効視野を狭めてしまうのです。

視界に入っているのに見えていない状態で、これも脳の防御反応のひとつです。

こうなると視界が中央のみに狭まってきて、横や後ろにはばとんど注意が向きません。

たとえ、何か避けなければならないことが近づいてきたとしても気づかないわけですから、とても危険です。

海水浴などで遊び疲れているにもかかわらず車を運転して帰るときなど、事故が多いのはこのためです。

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