疲労が老化を加速する
疲労も老化もメカニズム的にみると、活性酸素による細胞の攻撃によって起こされるという点は同じで、活性酸素が細胞を酸化させ、一時的に傷つけてしまうのが疲労、そして細胞の傷が癒されないまま傷跡を残した状態が老化です。
疲労が回復せずずっと続くことは老化を加速させてしまうということになります。
日焼けでもとの肌に戻りにくくなるのも老化です。
これは、脳においても全く同じで、たとえば、徹夜など、脳の神経細胞も傷ついたまま修復しないで、さらに負荷をかけると修復不可能な疲痕を残します。
修復できる傷は休めば癒されますが、修復できない傷を残してしまうと、もう二度と細胞の本来の機能は戻りません。
疲れたらその日のうちに、疲労を回復しておくことはアンチエイジング対策に非常に有効なのです。
多くの人は自分なりの疲労回復法をもっており、お風呂に入ったり、音楽を聴いたり、栄養ドリンクを飲んだり、温泉に行ったり、科学的にどうなのかというよりも、疲れがとれた実感があるからまたその方法を行うようです。
疲労感をやわらげるとして多くの人が行っている疲労回復法について調査したデータがあります。
調査結果によると、現在、だるさを感じている人、あるいは過去1年間に疲れやだるさを感じたことがあると答えた人の94％が、何らかの疲労回復法を実践していると答えています。
最も多く活用されている疲労回復法は入浴（56％）で、上位に顔をみせるのが、コーヒー、入浴剤、マッサージ、日本茶、体操、酒などです。
入浴系と食品が上位を占めています。
実践する人は多くはないものの、カラーパンクチャー（カラーライトを皮膚にあてるヒーリング法）、健康保険が適用されている漢方薬や、医師の同意があれば健康保険の適用になる療法（あんま、指圧、鍼、灸など）など、疲労回復法の種類は多岐にわたっています。
また、実践している疲労回復法において、効果があったと認めている人が多い療法は笑いでした。
入浴のように多くの人が選ぶ療法といっても、必ずしも効果があったと認める人が多いとは限らないということがわかりました。
効果があった療法としては、アニマルセラピー、森林浴などをあげる人も少なくありませんでした。
また、指圧、マッサージ、整体、ヨガ、鍼、灸、カイロプラクティック、温泉、サウナなど、体に直接働きかけるものをあげる人が多いこともわかりました。
ただし、これらの疲労回復法の多くは、たとえ効果があったと認める人がいても、それはあくまでも疲労感をいっているもので、疲労そのものが回復されているのかどうかについては、まだ十分に科学的根拠が証明されていないものもあります。
疲労と疲労感は違うのです。
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