年をとると疲れやすい理由
加齢に伴い、根気がなくなった、同じことを長く続けられないと、多くの人は疲れやすくなったことを自覚します。
これにも疲労回復物質FRがかかわっており、実は、若い人ほど疲労回復物質FRがよく働く傾向があります。
つまり、疲労因子FFが発生したと知るやいなや、細胞の傷が深くなる前に修復しさっさと疲労因子FFを減らしてくれます。
しかし、加齢に伴い疲労回復物質FRの反応性が低くなります。
若い人の場合、運動をして疲労因子FFが増えると、すばやく疲労回復物質FRが反応して出現し、細胞を修復することで疲労因子FFを消しにかかります。
しかし、高齢になってくると、疲労回復物質FRの反応性が低くなります。
運動をして疲労因子FFが出るところまでは若い人と同じなのですが、疲労回復物質FRが反応しにくい状態なので、十分に疲労因子FFをうちのめすことができません。
細胞の傷は残ったままになってしまうので、疲れやすくなるということなのです。
疲れやすくなったのは体力がなくなったからと、ジョギングやマラソンを始めたり、筋肉トレーニングに力を入れたりします。
しかし、あまりにも激しい運動を体に課してしまうことば、疲労因子FFを増やし、余計に体を疲れさせる原因になります。
活性酸素というのは酸素の一部が、体に悪さをするように変化したものです。
それによって細胞が酸化されれば、そこには疲労の正体、疲労因子FFが必ず発生します。
脳、神経、血管、胃や腸などの内臓、筋肉、皮膚などはすべて細胞でできており、活性酸素は体内のいたるところで発生し、細胞を酸化させますから、疲労因子FFも体内のいたるところに発生します。
脳の疲労も筋肉の疲労も、疲労が起こるメカニズムは同じです。
体を動かすのも頭を使うのも、どれもその部位の細胞に負荷をかけて作業をしていることになります。
特に運動疲労は筋肉細胞とともに、呼吸や脈拍、体温などを調節する自律神経中枢の神経細胞にも負荷をかけます。
すると、酸素を多く消費→活性酸素が大量に発生→細胞の破壊→疲労因子FFの発生→細胞機能の低下→パフォーマンスの低下という経路をたどります。
細胞が傷つくと疲労につながるので、細胞の機能低下がどこで起こっているかで、筋肉疲れ、脳の疲れ、内臓の疲れといったことが起きます。
たとえば、激しいスポーツをしたあとは体が疲れます。
これは筋肉の細胞に、活性酸素の発生による酸化ストレスによって傷ができたためです。
さらに、大きな力が加わると、筋肉の細胞が壊れ、炎症が起こります。
それが痛みとして自覚されたものが筋肉痛です。
暴飲暴食をすると、胃腸の細胞が傷つき、そこに疲れが出やすくなります。
また、お酒をたくさん飲む人はアルコールを分解する肝臓の細胞が傷つきやすくなります。
仕事などで頭をたくさん使う人は脳の細胞が、パソコンに長時間むかうなど目を酷使している人は自律神経の細胞が傷つくということになります。
どこに負荷がかかるかによって、酸化される場所が異なるため、それが自覚症状の違いとして認識されるというわけです。
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