薬剤性肝障害や肝膿瘍などの肝臓病
病気の治療のために病院で処方された薬を飲んだり、薬局で買った薬を飲んだり、健康促進のために薬を飲むことは、ごく当たり前のことです。
しかし、これらの薬の服用が原因で、肝臓病が引き起こされることがあり、これを薬剤性肝障害といいます。
多くの薬剤は、口から飲んで体内に吸収され、効き目を示した後、肝臓に入り、肝細胞で分解されて、体の外に排出され、これを薬物代謝といいます。
肝臓は薬物代謝の中心を担っているため、薬物による障害が起こりやすい場所でもあるのです。
障害を起こす原因となる薬剤はさまざまですが、抗生物質、鎮痛解熱剤、精神科・神経科用薬剤などが肝障害を起こしやすい薬剤として知られています。
ほかにも、市販の風邪薬、健康食品、漢方薬やビタミン剤なども肝障害を起こす可能性があります。
薬剤性肝障害は、個人差があり、誰もがなるものではありません。
症状もさまざまで男女の差異も特にありませんが、年齢的には50歳以降に起こることが多いようです。
これは高齢になるにしたがって薬を飲む機会が増えることも考えられます。
薬剤性肝障害は起こり方により、薬剤などの中毒により起こる障害と、特異体質により起こる障害があります。
特異体質により起こる場合、主にアレルギーによって起こりますが、これは予測不能で、予防策はありません。
しかし、中毒で起こる場合は、薬を多く飲むほど起こりやすくなるので、基本的なことですが、薬は用法・用量を守って飲むことが大切です。
薬剤性肝障害は、ほとんどの場合、原因となる薬剤の服用を中止することで速やかに回復します。
劇症肝炎に進まなければ予後は良好です。
肝膿瘍とは、文字どおり、肝臓の中に膿がたまる病気で、腸管や胆管にひそむ細菌が原因で引き起こされることの多い病気です。
通常、健康な人の場合、細菌が腸管から胆管を経由して肝臓に感染することはほとんどありませんが、糖尿病やがんなど、ほかの病気を持っていて、免疫力が低下していると、感染する危険性が高く
なります。
超音波検査、CT検査で容易に診断がつき、ふつうは点滴をして抗生剤を投与すると良くなります。
膿が大きい場合、抗生剤の効きが悪い場合は、肝臓に体の外から膿の塊に直接管を刺して排膿することもあります。
体には、体内に細菌やウイルスなどが侵入すると、これを攻撃して体を守る免疫システムというものがあります。
この免疫システムが異常をきたし、自分の体を攻撃してしまうことを自己免疫といいます。
この自己免疫が肝臓を攻撃して、慢性的に肝臓に炎症が起こってしまう肝炎を、自己免疫性肝炎といいます。
倦怠感、食欲不振、尿が褐色になるなど、急性肝炎の症状が出る場合もありますが、自覚症状は少なく、気づかないうちに肝硬変へと進行してしまうことも少なくありません。
中年以降の女性に起こりやすい病気で男性では少ないことが特徴です。
治療には副腎皮質ホルモンが使われます。
自己免疫性肝炎のほかに、原発性胆汁性肝硬変もあります。
これは、自己免疫により肝臓内の胆管が攻撃される病気で、徐々に胆管の細胞が破壊されて、病気が進行すると肝臓内の胆管が消失してしまうこともあります。
他の自己免疫性肝炎と同様に中年以降の女性に多く見られる病気です。
日本では約5000人程度の患者さんがいると推定されており、欧米では日本の4倍の頻度があります。
この病気には、黄疸の出ない無症候性原発性胆汁性肝硬変と、黄疸のある原発性胆汁性肝硬変の時期があります。
発症すると黄疸のほかに、皮膚がかゆくなることがあり、多くの場合、ウルソデオキシコール酸という薬を投与することで治りますが、まれに病気が進行して肝硬変が悪化し、肝臓移植以外に治療方法がないという状態になることもあります。
このほかに、自己免疫が肝臓外の胆管を攻撃することで発生する原発性硬化性胆管炎という病気もあります。
攻撃された胆管は線維化して細くなり、胆汁の流れが悪くなります。
重症の場合は胆管を広げる手術などを行います。
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