肝臓の機能を調べる検査
一般的な健康診断の血液検査のうち、肝臓の機能を調べる項目は、AST（GOT）、ALT（GPT）、γ−GTPの3項目です。
ASTとALTは、代表的な肝機能の指標で、どちらも肝細胞に含まれている酵素で、肝細胞がなんらかの異常で破壊されていると、これらの数値が上昇します。
γ−GTPは肝臓内の胆管でつくられる酵素で、この数値が上昇する場合は、胆汁の流れが悪くなっていることが考えられます。
またアルコールの過剰摂取によっても上昇することがわかっています。
アルコール性肝障害の可能性が疑われますが、ASTやALT、γ−GTPの数値は、風邪をひいているとき、宴会続きで飲酒量が増えたときに、一時的に上昇することもあります。
その一方で、ウイルス性肝炎に感染していても、数値があまり上がらない場合もあります。
つまり、本当に肝臓病なのかどうか、どのような種類の肝臓病なのかは、さらに精密な検査をしてみなければわかりません。
正しく肝臓病の診断をするためには、どのような検査をすればいいのかについて、 医師はまずよりくわしい血液検査を行い、どのような肝臓病の可能性があるのかを調べます。
同時に問診を行い、アルコールの摂取量、肝炎ウイルスに感染した可能性はないかどうかなどを調べていきます。
そして、肝炎ウイルスマーカー、腫瘍マーカーなどの検査を行い、肝臓病の原因と病態がある程度しぼられてきたら、必要に応じてCTやMRIなどの画像検査を行います。
さらに肝臓の状態をくわしく調べるためには肝生検を行います。
このように、さまざまな検査をしたうえで、診断と治療方針を決めていくのです。
ただ、健康診断には、直接肝機能とは関係がないけれども参考になる検査がいくつかあり、それが腹囲測定とBMIです。
この2つはメタポリック症候群を調べる目安ですが、同時に脂肪肝の可能性がある内臓脂肪について知ることができます。
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